(↑↓ 我が家の庭より。電線・電柱の無い方向の日本の空は美しい)
1.日銀決算
日銀の2019年度決算が確実発表になった。長期債の保有は472兆円で平均利廻りは0.257%とのこと。これはこれ以上に金利が上昇すれば評価損が出るということ。出口で、これ以上の利回りで売れば売却損が出るということ。緩和からの出口はない。
長期債の保有は472兆円で平均利廻りは0.257%。2013年度(黒田総裁が異次元緩和を開始した年)の保有長期国債は83兆円、平均利回りは0.719%。保有額は6倍になり利回りは0.79%から0.257%へと低下。景気が良くなって少しでも長期金利が上がったら日銀はアウト。
2.国債が無いと通貨は消滅してしまうというMMT信者の主張について「MMT信者は『中央銀行は国債を担保として貨幣を供給してるのに 国債発行ゼロでは通貨がなくなってしまう』と皆さんがバイブルのようにおっしゃいますが、そんなことは全くありません。日銀が保有する資産は健全である限り国債、特に長期国債である必要は全くありません。長期債の保有は価格のブレが大きく財務の健全性からよろしくありません。保有資産は(裏に実際のビジネスが存在する)約束手形でもいいし、米国国債でもいいのです。その健全な資産のもとに貨幣を発行し、そのマネタリーベースを基に民間の金融機関の信用創造で市中に出回る貨幣が供給されます。実際1991年は日銀はい入れ手形10.8兆円、政府短期証券18.0兆円、貸付金10.1兆円という資産を基に40.0兆円の貨幣を発行しています。国債、特に長期国債など無くても通貨は発行できます」
3.長期金利が上昇しても保有国債の利回りも上がるから日銀が債務超過に陥ることはないのか?
私のTwitterに以下のリツイートが来た。「長期金利が上がると、日銀が付利上昇で債務超過、って仰ってますけど、日銀が保有する膨大な国債(債権)の金利も上がるので結局「いって来い」になりますよ、と。」
私の返答は以下の通り。「私が国会で質問しても黒田さんや若田部さんがいつも苦し紛れにする答弁内容と同じです。日銀は昔はせいぜい3か月物の政府短期証券化短期国債しか買っていませんでしたが、今、日銀の購入は10年国債が主力、30年国債まで買っています。固定金利です。満期がこないと利率は変わらないのにどうして、金利収入がすぐ増えるのですか?」
4.国と家庭の人は徴税権のあるかなしかだ、と言っている人はいないのか?
私のTwitterに以下のリツイートが来た。「日本政府は円を発行できる」という点に触れないのはどうしてでしょうか。 「国は家庭とは違う。徴税権がある」なんて言ってる人、見たことないです。 デフレの状況でハイパーインフレの心配をするのは「石橋を叩いて渡らない」ってヤツではないですか?」
私の返答は以下の通り。「国は家庭とは違う。徴税権がある」なんて言ってる人、見たことないです。」-->まわりに市場関係者、外国人、金融・経済の分かっている人がいないだけではないですか?」
5.日銀が万が一、国債を引き受けたらどうなるのか?
私のTwitterに以下のリツイートが来た。「市中銀行から間接的に国債を買い取った場合は日銀当座預金の負債(市中銀行からの借金?)になりますが、政府から直接買い取れば、つまり完璧な財政ファイナンスをすれば、その分の日銀当座預金の金利は政府に入るということでしょうか??」
私の返答は以下の通り。「万が一、日銀が国債を政府から買うと日銀の資産サイドは国債増、負債サイドの政府預金勘定が一時的に膨らみます。そして政府が給付金を払うとか道路を作ることにより負債サイドの政府勘定が減り日銀当座預金が増加します。いずれにしろ日銀が国債の爆買いを続ければ、日銀当座預金が極大化し出口での日銀の倒産確率は高まります」
6.私はバランスシートが読めるのか?
私のTwitterに以下のリツイートが来た。「藤巻さんはバランスシートを読む事は出来ますか? 資産を語らないのは何故なんでしょう?」
私の返答は以下の通り。「読めますよ。なにせ私は商学部、管理会計と原価計算のゼミでしたから。バランスシート読めないと間違いなく落第」