(雨上がりの芸術 蜘蛛の糸)
1.日銀の決算(エッ、ETFから6000億円の利益をーーー)
日銀の2020年3月決算を見て驚いた。当期純利益は1.3兆円。メインの国債からの利息収入が1.3兆円。日銀当座預金の大部分に+0.1%の利息が付いているから支払い利息が0.2兆円。保有国債は長期固定金利だから、国債からの利息収入は今後とも1.3兆円前後だろう。しかし支払利息の方は景気上昇とともに急増していく。なにせ412兆円もの巨大日銀当座預金残高だから1%あたり4.12兆円の支払金利増。景気が回復すると日銀は途端に債務超過だ。黒田総裁は「景気が良くなると日銀が危機に陥り責任問題が浮上する」から、今の低迷経済はうれしいだろう。
ちなみにFRBは2015年の受取利息は約12兆円。日銀の10倍もある。それでも2018年にかけての利上げで純利益は11兆円から7兆円まで減少している。
私が驚いたのは株ETFからの分配金等の運用益が6047億円もあることだ。日銀の利益(通貨発行益)は国債から1.1兆円、株保有から0.6兆円。世界の中央銀行で金融政策目的で株を持っている中央銀行は他にない。中央銀行の財務の健全性の観点から株保有などは「禁じ手」だったはずだ。その禁じ手の株保有からこんなにも多額の通貨発行益を出している。中央銀行の体をなしていない。
2.金融知識の講演会(申込受付)
一橋大学経済学部で13年間、早稲田の商学研究科で6年間、非常勤講師として授業を持たせていただいた経験をもとに、以下のように3回の金融知識の基礎獲得のための講座を開きます。机上の学問ではなく実務家(私)の授業です。一橋大では受講者数からしても大人気の講座だったと自負しております。これからの混乱期を乗り越えるために最低限知っておきたい金融知識を得られる講座だと思います。(先着100名)
参加費:15,000円(3回分)
3回(6 月26日(金)・7月 1日(水)・7月 8日(水)の 3回にわたりWEB) 時間:20:00~22:00
受講方法:Zoomウェビナー形式
詳しい内容、申し込みは下記からお願いいたします。
3.雨上がりの蜘蛛の糸