中銀の財務が毀損すれば、通貨の信認にも響く恐れ

2020年06月17日

1.中銀の財務が毀損すれば、通貨の信認にも響く恐れ

リスク資産への投融資に関して日経曰く「日銀は今のところ、こうしたリスクを取ることに消極的だ。中銀の財務が毀損すれば、通貨の信認にも響く恐れがあるためだ」日銀よ、なんだ今更。長期国債、株ETF,リート、社債等財務が毀損するもの、すでに山ほど購入している。景気が良くなれば長期国債、悪くなれば株、リート、社債が棄損する。だから私は「日銀の財務棄損から円暴落(=ハイパーインフレになる)」と言っている。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60415160W0A610C2EE8000/

2.銀行間手数料「下げたい」 首相、具体的な検討指示

え、またまた民事介入?この国は計画経済国家の様相をますます強めている。人気取り発言もほどがある。日銀の異次元緩和のせいで、銀行の主たる収益源である「長短金利差」が縮小し、儲からなくなったから手数料で生き延びようとしているのが銀行。異次元緩和という財政破綻先送りをしなかったならば、銀行は充分収益が上がり、競争の結果、手数料は下がっていたはず。

1997年の金融危機の時、やはり長期金利を下げ「長短金利差」が無い環境を作っておきながら、公的資金投入行に「お前ら儲けろよ、儲けないと頭取首だぞ」とプレッシャーをかけた時と同じ。厳しい環境を自ら作っておきながら、さらに銀行に追い打ちをかける。あの時、公的資金投入行は、薄利の国債1単位の購入では儲からないから、3単位を買って収益確保、頭取の首を守ろうとした。そして国は長期金利を低位に押さえつけ続けられた。

ちなみに、今回の「金融機能強化法案」のコロナ特例では、当時、ムチとして使っていた「頭取の首などの経営責任」さえも問わないという。もうはちゃめちゃ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60413630W0A610C2EE8000/