昨日の日経新聞に「FRBは米大手34行の貸倒損失が最大74兆円に上ると懸念した」との記事が大きく載っていた、そして、その記事の下に小さく「日本の国内5大銀行は今年3月期に不良債権費用を1.2兆円見込む」との記事。え、それっぽっち??米国の74兆円に比べても少ないし、過去の経験からしてもあまりに少なくない?
記事の重要性は、「日本の5大銀行の方」で、今後大問題になるissueだ。74兆円と試算した米国の方はそれなりに常識的な判断をしているように思うが、日本は超甘だと思う。そうせざるを得ない情勢と言えるのかもしれない。大きく貸倒れ引当金を計上するとメガバンクさえも赤字になってしまうからだ。
バブル崩壊の時、世間では不良債権額は100兆円(メガの不良債権がいくらと言われていたかは忘れた)と言われた。しかし官は30兆円と言い張った。結局4500億円の公的資金が金融機関に投入されたが、その額でさえ多すぎると世間では大問題となった。そして不良債権処理に30年の月日を費やした(まだ公的資金の返済を終わっていない銀行もある)現在、本来は格付けを2ノッチ提げてもおかしくない企業が続出なのに下げずに融資を継続させようとしている。また地銀を含む銀行に、企業への緊急融資を要請している。金利はゼロだとしても倒産した時のコストを政府は負担しない。
このようなことから考えたら、今後金融機関への超ド級の公的資金の投入が必要になるだろう。しかもバブル末期の1990年の国の債務残高は224兆円だが、今や1115兆円もある。どうやってその投入資金を捻出するのか?又紙幣を刷るのか?
リーマンショックの際、「中小企業金融円滑化法案」でゾンビ企業を生き残され、財政赤字を平時に改善させなかったツケが今、一気に噴出しようとしている。政府がでしょばり、オデキが破裂しないように、出血場所に絆創膏を張るだけの対症療法を継続してきた(=まさに計画経済国家)結果、今、オデキがまさに破裂しようとている。コロナが原因ではない。単なる引き金だ。国はハイパーインフレで借金を「ご破産では」にしようとしているとしか思えない。国民生活は地獄だ。ドル資産保有で身を守った方がいい。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60880700W0A620C2EA4000/
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60828550W0A620C2EA4000/