新興国でドル不足(新興国だけ?)他

2020年06月29日

1.新興国でドル不足(新興国だけ?)

昨日の日経1面トップ記事。ドル不足にさらされているのは何も新興国だけではない。世界中であり、日本でもそうだ。現在なんとか先進国でドル不足が収まっているのは通貨スワップ協定で日銀もFRB からドルを借り、それを邦銀に貸与しているからだ。2月末に29.7兆円だった(日銀の負債の)「その他預金」が4月末には52.8兆円に増加している。一方(資産サイドの)「外国為替」は2月の6.7兆円から4月末には30.7兆円に増加している。これらの増加は通貨スワップ協定に基づくドル借入のせいだろうと想像する。通貨スワップ協定は「自国の通貨危機の際、実行されるはず」の協定で恒常的なものではないはずだ。すなわち、日本は、絆創膏を傷口に張るような対処療法で、ドル不足を賄っているに過ぎない。新興国はFRB ni伴奏国を張ってもらえないだけ。そんな時に貴重なドルをなぜ売るのか私には理解できない。ドルは世界の基軸通貨として1強になっていくと思う。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO6089653027062020MM8000?disablepcview

2.昨日のコロナ感染者

ディーリングという数字の世界に長くいると、マスコミの数字の扱いに時々疑問を持つことがある。昔、TV で大雪で電車が止まった時、「都内で82,282名の方が影響を受けました」とやっていた。おいおい、本当にそんな細かいとこまで分かるの?昨日は「東京都でコロナ感染者が60名、自粛解除後最高」と騒いでいるニュースもあった。50人だろうが、60人だろうが100人だろうが、そんな数字の差など1400万人いるんだから誤差の範囲でしかないのでは?コロナ禍最初の頃、感染者が一桁から45人に増えたという急激な右上がりのグラフが新聞紙上に出たことがある。出た~、心象操作、と思った。こんなの縦軸を1000人を1cmに取ればほぼゼロのまま変化なしだ。

3.都知事選挙

都知事選挙が近づいてきた。真に困っている人に集中して配るだけでなく、後先を考えずに9000億円超だった財政調整基金を493億円まで減少させてしまった都知事や、さらに15兆円の地方債を発行し日銀に引き受けさせる非現実的を主張する人など候補者が入り乱れている。長年、財政・金融の問題を論じてきた小生には恐ろしくてならない。やはり、まともな感覚を持ち、前熊本県で副知事の経験もある小野泰輔氏が都知事として辣腕をふるってくれることに期待をかけざるを得ない。

4.6月30日発売の婦人画報

明日発売の婦人画報の連載タイトルは「長期に渡る大増税は避けたい」です。よろしくお願いいたします。IMG_8887