1.日本国債格付け見通し引き下げ
本日の日経新聞朝刊5面の右下に見落としそうなくらいに小さ~く出ていた記事。「見せたくない」、「読ませたくない」感が良く出ているが、「弱含み」への判断変更は、警戒警報として投資家にとってとても重要なもの。そのニュースへの無視ぶりは?に思わざるを得ない。私はX デーが遠い先ではないと思っているが、今の格付けのまま日本がX デーを迎えたら 他の格付け会社は世界の投資家に何と申し訳をするのだろう?もっとも国の格付けは国の倒産確率でありハイパーインフレの可能性は全く考慮されていないのは充分理解している。財政出動で財政破綻の(日本得意の)危機飛ばし(=先送り)しているこの国は、確かに財政破綻確率は低いだろうが、その代わりにハイパーインフレリスクはアリアリだ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62037050Z20C20A7EE8000/
2.通貨の失墜はどのような理由で起きるのか?
昨日twitterに以下の質問が来た。「ハイパーインフレとは『円』の信用が失墜した時に訪れるものだと考えておりますが、貴方はどのような思考の元に近日中にソレが訪れると?」私の回答は以下の通り。「どんなに健全な大国でも中央銀行の信認が崩れたら通貨は暴落です。通貨の信認は中央銀行によります。その証拠にドイツが第2次世界大戦直後に中央銀行のライヒスバンクを廃し、新中央銀行のブンデスバンクを創設したき(=新しい通貨ブンデスマルクを発行した時)ドイツへの国力はビタ一文変わらないのに通貨の価値が回復しハイパーインフレは収まりました。昭和21年の日本での新円切り替えの時も同じです。国力は全く変わらないのに新円の浸透で通貨の価値は回復(=ハイパーインフレの鎮静化)しました。日銀の財務内容は世界断トツで脆弱です。
3.経済とコロナ対策の両立
新型コロナウイルス1日の新規感染が1200人超だそうだ。最近やっとNHKも死者数を報道し始めたが昨日亡くなった方は1人とのこと。連日、死亡者はゼロ人か1人。これなら致死率0.1%以下ではないか?一方、外国での致死率は高いと聞く。日本の致死率が本当に低いのならインバウンドは規制しつつ、経済回復を図るのも一案では?もっとも、息子は外科医でありながら今日は内科医負担軽減のためのコロナ重症患者の受持ち当番。「70歳以上の高齢者は重症化率が高いから、よくよく注意するように」と私は厳命されている。甘く見るのは厳禁なのだろう。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62063220Z20C20A7EA2000/
4.貸し倒れ引当金は十分か?
スペイン最大の商業銀行であるサンタンデール銀行の3か月間の赤字(4~6月期)が約1兆3700億円の赤字だそうだ。3800億円も貸し倒れ引当金を積んだせいでもあるそうだ。米銀も貸し倒れ引当金をかなり積んできている。邦銀、特に地銀は充分積んでいるのか?それとも倒産が起きてから慌てるのか?今は積むだけの体力が無いのか?異次元緩和で長短金利差がなくなり本業が苦しいのはスペイン以上だと思うのだが。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62046120Z20C20A7EE9000/
5.(地銀の貸出増加は、日銀当座預金残高減につながるか?)
昨日twitterに以下の質問が来た。「仮に貸出需要が増え、地銀が日銀当座を引き出して融資に回した場合、日銀のバランスシートはどうなるのでしょう」私の回答は以下の通り。「地銀の貸し出しが増えても日銀当座預金の残高(日銀のバランスシートも)は減りません。横浜銀行が建築業者Aに貸し出しし、Aはこのお金をコンクリート業者B が千葉銀行に持つ口座に振り込んだとします。この結果、横浜銀行の日銀当座預金残高が減り千葉銀行の日銀当座預金が増えるだけです。日銀当座預金が減るのは、日銀が今やっているオペレーションと逆のこと(国債の市中銀行への売り返し。満期の時、国から償還原資を受けとる)をするか、または国民がドルなどに円を替える時だけです。