1.昔の日銀マンはまともな思考を持っていた
日銀の2020年1―6月の議事録が発表された。当時の白川総裁、日銀審議委員は、極めてまっとうな思考力を持っていた方だということがわかる。それに比べ、政府の紙幣印刷所になり下がった現日銀幹部・審議委員にはあきれ果てる。記者の「白川総裁の発言には、政府や国民の間で財政悪化への懸念が共有されていないことに対する強い危機感がにじむ」との記述には強く同意。懸念が共有されていなかった理由は、少なからずいた財政楽観論者の存在とマスコミの追及不足だ。
「通貨や中銀への信認を維持することは非常に難しく、いったん疑念を抱かれると回復は容易ではない」(中村審議委員)「いずれ日本のソブリン(政府債務)問題が顕在化する可能性は高い」(亀崎審議委員)「物価の上昇だけがほしいわけではなく、景気が上がり、その結果として物価も上がるという経済を我々は希望している」(白川総裁)総裁、審議員だけではなく、この記事を書いた記者の見識も素晴らしく,まとめも見事だ。「それから10年。国債を積極的に買い入れる大規模緩和で日銀の資産規模は5倍超に膨張した。(中略)『日本経済の将来を考える上で非常に問題が発生する』。白川総裁が懸念した財政と金融の『一体化』がもたらすリスクは確実に増している。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62185300R30C20A7EA4000/
2.ハイパーインフレしか財政再建はもう無理
内閣府の試算によると基礎的財政収支(PB)の黒字化がまたまた先に伸びて2029年度になったそうだ。それも、あいかわらず、前提を楽観過ぎる経済成長として、である。そもそもPB 黒字は2010年のトロントサミットで「日本は他国並みの目標は当然達成無理」との理由で5周遅れの「PB 黒字化」という目標にしてもらった、のにかかわらずだ。しかもPB が達成されても、その後に財政再建が進むには「名目成長率>名目金利」が大前提(ドーマーの法則)。名目成長率は税収に比例するからだ。しかし今、名目金利が低いのは、ひとえに日銀の長期国債爆買いのせいで、日銀が財政ファイナンスを辞めれば名目成長率<<<名目金利で支払金利は急増。財政赤字はますます拡大していく。もう財政再建は国民生活が地獄となるハイパーインフレ以外はない。財政再建を平時に行わなかったツケはバカでかい。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48019020R30C19A7EE8000/
あれ~このタイトルは黒字化27年度となっているのに朝刊では黒字化29年度になっていると思ってチェックしたら、上記のWEB ニュースの38分後のニュースには平成29年度となっていた。間違った方は消した方がいいのでは?https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62141050R30C20A7EA1000/
3.超過死亡
超過死亡――私が知りたかったのはこの数字。日本では「4月までの国全体の死亡数は平年並みだった」とのこと。ニュースで見る限り昨今の死亡者はゼロや数人。需要患者数も少ないらしい。一方、日本の財政はすでにICU に入っている状態だ。このままいけば経済も死ぬ。悲惨な事態が訪れる。
前にも書いたが、自動車事故は怖い。事故を完璧に無くすのはスピード制限を時速⒑㎞くらいに落とすか自動車を廃止するしかない。それでは経済が死ぬ。政治家は「新規患者数ゼロ」が目標なのか?どこかでこの超過死亡数に基づいた経済活動復興点を探らねばならない。ただ海外では超過死亡が多いのだから、インバウンドだけは規制したほうがいいように思う。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62181060R30C20A7CR8000/