日銀に出口はない。生保の解約増は超長期債の売却、もしくは需要減 他

2020年08月27日

1.生保の解約増は超長期債の売却、もしくは需要減を意味する

新型コロナウイルス禍で企業や家計の収入が減り、保険の解約で手元にお金を確保しようとして生命保険の解約が増えているそうだ。日本の生保はALM(アセット・ライアビリティーマネジメント)を誤解して、資産と負債の年限をバランスさせてきている(米銀は将来の金利予想でミスマッチ・マッチポジションを作り収益を上げようとする)さらに企業の資金繰りが苦しくなり保険解約が増えると、それに見合って買ってきた超長期債を売却しなければならないはずだ。イールドカーブが立ってくる。大丈夫か、日銀?https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63041070V20C20A8EE9000/

 2.日本経済に活力が無い理由

昨日の日経朝刊の「十字路」の主張は、まさにその通り。香港の地盤沈下の今、高度な知識をもつ金融人材を呼び込もうとしても、きつい累進所得税や相続税の存在のために日本では難しいという話だ。外資に勤めている人なら常識だ。身をもって感じていること。この問題は、金融人材の呼び込みだけのささいな(?)問題ではなく、日本経済が活性化しない大きな理由のひとつだ、というのは外国人共通の意見。働いても働かなくても税引き後収入は皆、ほぼ同じ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62809970Z10C20A8ENI000/

3.日銀に出口はない:MMT論者が認識していない「恐怖」

昨日の拙文を言論プラットフォーム・アゴラが載せてくださいました。http://agora-web.jp/archives/2047796.html

4.寿命の無い国は借金を返す必要が無いか?

前掲の拙文をSNS に載せたら、以下のような反論が来た。「こんなのの相手をするのも同類のアホだけど、国という法人格は寿命がないので借金(そもそも借金とは言わない)を返す必要は1ミリもありません。」首をひねるような反論だが、以下のように返信した。「借金には満期があります。国債の主力は10年債で満期には返済原資を誰かから再度借りなければなりません。満期で戻ってきたお金で再貸出し(=国債再購入)をする人もいるでしょうが再購入しない人もいます。お金を貸すか否か(=国債を買うか否か)は貸し手の意思であり、国(借り手)の意思ではありません。借り手に、勝手に借り続ける権利はありません。満期が来ても、お金を返さなければ犯罪です」 

5、(国家の通貨発行権とは)

前掲の拙文をSNS に載せたら、以下のような反論も来た。「国家の通貨発行権を理解していない…」MMT信者と思われる。以下のような返事を書いた、「たしかに国は貨幣(コイン)を発行する権限は持っています。しかし政府の発行している貨幣流通残高はたったの4.9兆円にすぎません。日本銀銀行券の発行権限は日銀です。日銀は日本銀行券113兆円と日銀当座預金447兆円を通貨としてきょうきゅうしています。それと比べてみてください。もしあなたが信用創造のことを言っているのなら、それも間違いです。日銀が通貨を発行し、民間金融機関が信用創造で通貨を倍増します。信用創造には国家は関係ありません。関係するのは民間金融機関の貸し出しです。日銀が種銭である通貨(マネタリーベース)を発行する際は、何も日本国債の購入である必要はありません、約束手形でもいいし、米国債でもOKです。なお。通貨を発行できることと、信用ある通貨を発行できることとは別の話です。」

6.(国家財政を家計で論じると間違いか?)

前掲の拙文をSNS に載せたら、以下のような反論も来た。「此れでJPモルガン・チェースの銀行員だったというのが……家計と国家財政を同一視するなと、何度言えば理解出来るのだろうか」私の返事は以下の通り「お言葉を返すようですがJPモルガンの平社員ではなく、昇進した頃は世界でも数の非常に少なかったマネージング・ディレクターでした。なお、家庭でも国でも借金は返さなければならないのは同じです。返さないとわかれば、誰も旧借金の満期時に継続融資(=国の場合は国債購入)に応じてくれません。国と言えども満期に借金を返さなければ犯罪です。家庭と国の借金に関して論じる時、違いは徴税権があるか無いかだけの違いです。明日から消費税を40%に上げるのなら借金返済が可能でハイパーインフレは回避できるでしょう。しかし、それが日本では無理とあれば、借金踏み倒し策のハイパーインフレしかないと思います。