.「ポストコロナの日本経済~財政破綻は避けられるか~」「金融システム不安」他

2020年09月02日

朝日地球会議③

1.「ポストコロナの日本経済~財政破綻は避けられるか~」

朝日地球会議2020(オンライン会議)で5日目の10月15日(木)10:30-11:30にパネリストとして出演いたします。「ポストコロナの日本経済~財政破綻は避けられるか~」で、もう一人のパネリストは小林慶一郎氏(東京財団政策研究所研究主幹)、コーディネータは原朝日新聞編集委員です。無料で視聴できます。参加申し込みは以下の朝日新聞の公式サイトからお願いいたします。

https://www.asahi.com/eco/awf/?cid=awf20tw

 

朝日地球会議

2.金融システム不安

「金融庁『振興銀チーム』再び」。このタイトルでは、読者の興味を引きつけず、ほとんどの人は読まないだろうが、書いてあることは恐ろしい。「焦点が当たっているのは新型コロナウイルスの大流行が長期化した時、金融システムを維持できるかだ」「今は安定している金融システムだが『マグニチュードは世の中が想像している以上。財政支援で繕い、台風の目に入っているだけ』と語る幹部もいる。金融庁は危機に敏感になっているのだ。」私もそう思うが、金融システムが崩壊したらX デー到来、。日本売りが発生する。世の中、暢気すぎる。一番危ないのは日銀、円は紙くずになる。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63320770R00C20A9EE9000/

3.財政に対する危機感があるかを判断出来る総裁選

麻生財務大臣、麻生派の河野防衛大臣は総裁戦に出馬しないそうだ。財政・日銀の窮状を見れば、不出馬は賢明な選択だろう。アベノミクスの尻ぬぐいで泥をかぶり、貧乏くじを引くことはない。不出馬は現状認識能力が高い証拠。石波さんは、このロイター記事を読む限り、経済・財政状況がわかっていない。危機感が無い。だから総裁選に出馬してしまったのか?石破氏は「現在の日本は、両世界大戦間のドイツのような供給力不足の状態にないため、ハイパーインフレにはならないとの見解を示した。」とおっしゃったそうだ。インフレ・デフレは需給ギャップで起こるが、ハイパーインフレは中央銀行の信用失墜による自国通貨の暴落で起きる。また両世界大戦間のドイツは戦災を受けたわけではなく、供給力不足でハイパーインフレが起きたわけでもない。

なお、ハイパーインフレの質問が出るようになったから、気にする記者も出始めた証拠でもあろう。

https://jp.reuters.com/article/%E8%87%AA%E6%B0%91%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E6%B0%8F-%E5%87%BA%E9%A6%AC%E6%98%8E%E8%A8%80%E3%81%9B%E3%81%9A%E3%80%80%E7%B0%A1%E7%B4%A0%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%B7%8F%E8%A3%81%E9%81%B8%E3%81%AF%E3%80%8C%E5%85%9A%E5%93%A1%E3%81%B8%E3%81%AE%E4%BE%AE%E8%BE%B1%E3%80%8D-idJPT9N2EG03U

4.来年度の予算は組めるのか?

財務省が発表した4~6月期の法人企業統計によると売上高は前年同期比17.7%減。東芝のサラリーマンだった父が生前「企業は売り上げが10%減ると経営が非常に苦しくなる」とよく言っていたことを(本当かどうかは知らないが)思い出す。経常利益も全産業で46.6%減と半分近くが吹き飛んだ、そうだ。こうなると今年の業績が現れる来年度の法人税収は、ガタっ減りだろう。リーマンショックの翌年の税収総額は37.8兆円。ただ消費税が5%だったから10%だとすると50兆円ぐらいか。類推するに来年度の税収は大甘に見積もって、50兆円だろう。ただ2009年に11.9 兆円もあった税外収入が、近年はせいぜい5~6兆円と急減している(平成30年度は5.4兆円)。とすると来年度税収+税外収入は良くて55兆円。今年並みの歳出だと160兆円で赤字105兆円。歳出の3分の1しか税収で賄えない予算など、世界でも、かってあったのか?GDPは下落し、借金は増えているから債務残高の対GDP比もとんでもない数字に上昇していだろう。一方、そのファイナンスを支える日銀はBIS いうところの「かってのレドッドゾーンを超えた」状態だ。もう、はちゃめちゃ。それにしては総裁選びでも危機的財政状況や日銀の状況が話題にもならず、危機感が全く無いのはどういうことだろう?

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63295840R00C20A9EE8000/