「来年のインフレ率は10%?」他?

2020年12月05日

1.「米長期金利再び上昇開始」

米国金利が昨晩0.97%へと上昇した。この1~2週間、米長期金利の上昇休止に、少しホットとしていただろう日銀幹部は、再び真っ青な顔をしながらビクビクした日々を送ることになるだろう。米国長期金利につられて日本の長期金利がつれ高を始めたら、日銀は莫大な評価損を抱え始めることになる。世界中から円は見捨てられる。

2.「来年のインフレ率は10%?」

その昔、英経済紙フィナンシャルタイムズが、「『Dr.悲観論』ことフジマキ氏」と私の主張を紹介してくれたことがある。私は修士号しか持っていないのにDR.とは儲かった気分になった。そのフィナンシャルタイムズ紙の11月18日版に「Why inflation could be on the way back」という論説が出ている。著名エコノミストでフィナンシャルタイムズの経済に関してのチーフコメンテータのMartin wolf氏の論考だ。「近い将来インフレ率が急騰する。5%はquite likelyで2021年には10%も可能性あり」と書いてある「The great demographic Reversal」という本を紹介しているのだ。「低インフレと借金膨張の時代は終わりつつあり、反転が始まる」とある。「それが正しければ、世界は激変する」とWOLF氏は記している。フィナンシャル・タイムス紙ののwolf氏が取り上げるくらいだから、マガイ物の本であるはずがない。このような議論が欧米では開始されている事実は知るべきだ。だからこそ欧米で長期金利が上昇傾向にあるのだろう。皆、人より早く逃げようと長期債を手放すと私は思う。インフレ率が10%にでもなったら、逃げ遅れて債券を大量保有している機関は即死だ。日銀はそのサイたる機関。それは円の紙屑化を意味する。

フィナンシャルタイムス

3.「日銀のETF 購入には出口が無い」

昨日の日経新聞「孤独な最大株主に」は、よく書けている。必読。「『出口はない』。ETFを巡り、行内ではこんな声も漏れる」(フジマキ注:行内とは日銀行内のこと)。保有株に出口がないのなら保有国債には出口は“全く”ない。景気が良くなっても「政策金利ゼロ%、世の中お金ジャブジャブ」状態が続くと言うこと。景気が良くなってもアクセルをグングン踏み込み続けざるをえないということ。日銀を廃し、新しい中央銀行を作らなければ景気の超過熱、超インフレを防ぐ手段は無い。政治が自主的に日銀を廃さなくても、マーケットがそれを促す契機が、米国長期金利の上昇。円紙幣は無価値の紙くずになる日が近い。だからこそ保険としてドルを買えと私は言っている。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO66892620S0A201C2EE8000

4.コロナワクチン年内接種も

ロイター記事「EXCLUSIVE-米、2000万人がコロナワクチン年内接種も=FDA長官」このニュースは、マーケットに影響があるかもしれないから要注意かも?https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-fda-hahn-idJPKBN28E27Z

.「エコノミストの仕事」

11月30日のSNSに「エコノミストの仕事は過去を分析すること。当時、世界最大のヘッジファンドのタイガーファンドのオーナー・ジュリアン・ロバートソン氏(=強烈なおじいちゃんだった)が私(=今や、おじいちゃん)の目の前で私に彼の予想を述べる著名エコノミストに向かい「君たちの仕事は過去を分析することで、将来の予想は我々トレーダーの仕事だ。君たち(=経済学者)にはその能力も専門性もない」と一喝したことを書いた。

そのSNSに対して、元モルガンスタンレージャパンのfixed income のヘッドだったHさんが「全く持って同意」とコメントをくださった。マーケットで活躍していたチーフトレーダー達は、皆そう思っていると思う。エコノミストの言うとおりにポジションを取るような軟弱な人なら、すぐにマーケットから退場という結果になっていただろう。

6.京都・嵐山

昨日、一昨日と京都・嵐山に行ってきた。2か月ほど前に予約し、すでに高いキャンセル料発生時期であった。65歳以上、自粛規制が出てもキャン料を補填してくれるかも明確になっていなかったので、決行した。インバウンドが増えた京都には、「2度と行くものか」と思っていたので(=インバウンドの弊害)、インバウンドの来ない今年が京都訪問の最後かもしれないと思ったのも理由の一つだ。

落選した去年の参議院選では、私はほとんどが東京での選挙活動だったが、京都には1日行った。ところが選挙カーに手を振ってくるのは外国人ばかり。京都には選挙権のない外国人しかいないと思った。外国人に写真をめちゃ撮りされて、私はピエロか、観光大使か?とさえ思ったものだ(苦笑い)。今は、大違い。

もともと、興を無くす人ごみは大嫌いだったので、渡月橋の近くの保津川沿いの新しいホテルの窓から嵐山の紅葉を堪能するつもりだった。ところが自粛発令で、テレビで連日、橋が落ちかと思えるほどの渡月橋には人影はまばら。ホテルもレストランも、予約取り消しのラッシュで悲鳴を上げていて、「よく来てくださった」と、えらく感謝された、日本人は、いいことか悪いことかは知らないが、本当にお上に従順だと思った。先日も書いたが、ほぼ100%に近い日銀破綻のリスクには無頓着なのに、マスコミが報道さえすれば、そのリスクには反応する。

京都⑬部屋から

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