「金売却の次は借金踏み倒し?」「国債発行増で長期金利は低位のままでいられるか?」他

2020年12月13日

1.「金売却の次は借金踏み倒し?」

昨日、10兆円のファンド創設の財源は「金(きん)」の売却だとのニュースをご紹介した。日本の財政は、ついに保有の金を売らなくてはならないほど厳しいとの財務省のメッサージだ、と紹介した。実はまだ売るものがある。世界最大の債務国になっているほど溜まっている国民の財産だ。大増税か、もしくは借金踏み倒し策であるハイパーインフレで国民の富を召し上げれば、財政再建は可能で、さらなるバラマキが出来る。然しそうなると国民生活は地獄となることは認識すべき。

2.「国債発行増で長期金利は低位のままでいられるか?」

電子版にはなかったが、紙媒体にはサブタイトルに「今年度 金利上昇の見方少なく」とあった。彼らにマスコミが質問すれば、そう答えるしかないが、それは債券保有者の願望に過ぎない。本音では「人より半歩先に売り逃げたい」と思っているはずだ。米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大でドル高/¥円安が進行すればインフレとなる。インフレ進行なのにゼロ金利のままなら民間は国債を放出する。それを日銀がゼロ%で買いあげるとなると日銀はますます危険状態となる。長期をゼロに抑えたとしても短期の政策金利まで抑えたら、抑制手段のないインフレは加速するからだ。1000兆円近い発行国債すべてを買った後、日銀当座預金の付利金利を上げれば1%あたり10兆円の支払い、2%で20兆円の支払い、完全に損の垂れ流し。債務超過間違いなし、だ。世界は当然それを読む。世界中から円を売り浴びせられる。円は紙屑もいいところ。要は、世界中で長期金利が上昇しているときに、日銀が腕力で長期金利を低めに抑えつけることなど出来ないということ。計画経済は無理。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF120SD0S0A211C2000000/

3.「法定通貨ジャブジャブで法定通貨の価値が下がる(=インフレ)懸念」

昨日の日経新聞夕刊に「21年の相場を占う上で、金融界の2人の著名人の発言が傾聴に値する」とある。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の「米国債は買わない」との発言と、米ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏の「ドルなど既存通貨の信認低下に懸念を示し、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインが有力な分散投資の対象になる」との発言だ。2人の主張、要は、中央銀行の国債買い取りでジャブジャブにしているので法定通貨の価値が下がる(=インフレが進む)ということ、だ。私の主張と全く同じ。この記事、よく書けているのだが、「嫌われる米国債と米ドル」との記事タイトルだけは???である。2人の主張は「インフレになる(=すべての法定通貨が弱くなる)」で、特別にドルが弱くなるとは言っていない。

法定通貨は、物々交換時代に戻らない限り、どれか一つの法定通貨は残る。それは世界の基軸通貨のドルだろう。ドル円は上昇する。さらに言えば、これらの主張の根底は米国の財政悪化である。そのロジックならば、世界で最悪の財政状態であり、かつ世界で一番、財政ファイナンスを行っている日本の通貨・円が最弱通貨となる。現在、債務超過の恐れのある中央銀行は、日銀だけ。円は法定通貨でさえ、なくなると私は思っている。日本は新しい中央銀行と、新しい通貨を作るしか出口はない。だから、紙屑化するだろ円をドルに換えておいた方が私は言っている。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67275580S0A211C2ENI000/