「米長期金利は極めて重要」「ハイパーインフレは金融政策で防止できるのか?」他

2020年12月20日

1.「限界的な所にバブルは現れる」

バブルは限界的なところから現れはじめる。ビットコインの急騰が、法定通貨のジャブジャブ供給による価値の下落(=インフレ)の予兆なら、今後はビットコインには避難通貨としての意味あいが加わって、さらに大きく上昇する可能性もある。インフレで長期金利が上昇すれば、日銀並びに円の信認が崩壊するからだ。 

2.「米長期金利は極めて重要」

最近数週間のプチ下落気が終わり、米長期金利が再びじわじわ上昇してきた。ワクチン開発、欧米で強くなってきたお金ジャブジャブによるインフレ懸念を考えれば当然の動きだろう。米国長期金利が上昇を続ければ、すべての金融世界の景色が変わる。日銀と円への信認もアウト。米国長期金利は、今後極めて重要な指標として注意は必要。 

3.「ハイパーインフレは金融政策で防止できるのか?」

昨日、私のTwitterに「というか、黒田氏にハイパーインフレは起こらないって発言を引き出したのは藤巻さんだったんですね。 今日銀に強く言って釘を刺せる議員はいるのかな…」との激励メッセージをいただいた。ロイター記事にある通り、黒田総裁に2014年10月に言わしめた。あの時はどうやってインフレ加速を抑えるのか?の手法を問いただしたのに、黒田総裁は「起こらない」と言うだけで、手法を答えなかった。と言うか異次元緩和を開始してしまった以上、方法が無いから答えられなかったのだろう。あの時は、私のブログに、「ハイパーインフレにはしない」との根性論だけですべてが達成できるなら、私だって、今頃東大卒の肩書だ、と書いた記憶がある。

 

https://jp.reuters.com/article/kuroda-hyper-inflation-idJPKCN0I507Q20141016

 4.「結果平等主義とワクチン開発の遅れ」

「国民一人10万円を配るための13兆円をワクチン開発に当てていたら、日本でも世界に先んじてワクチンを開発できませんかね?」と医療関係者に聞いたことがある。答えは「ダメだね」だった。優秀な人材が高給・高待遇の欧米企業・研究機関にすでに流出してしまっているからだと言う。日本では成功しても大金持ちになれない。結果平等では何も生まれてこない。超一流プロ野球選手は大リーグに行ってしまい、日本には残った選手で年棒もほぼ平等の2軍軍団となっているのと同じだ。

また世界では相続税・贈与税を廃止、軽減化している(なぜかを考えるべき)のに、唯一日本だけは格差是正の錦の旗の下に重税化している。これでは、投資資金は相続税対策向けにしかまわらず、リスクマネーに回す発想など出てきっこない。この日経新聞記事の以下の部分は、そのことを頭に置いて読めば、そうよく理解できる。「他の業界と同様に、先端医療の分野でもベンチャーキャピタル(VC)などリスクマネーの出し手が乏しく、国際的な新興バイオベンチャー企業が生まれにくい。」https://www.nikkei.com/article/DGXZQODB176M50X11C20A2000000/

5.「インフレ率を丁度いいところにコントロールできないのか?」

昨日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「よくハイパーインフレはマズいという話を聞くのですが インフレとデフレの丁度よい所で調整することは 絶対にできないのでしょうか? ハイパーインフレまでボーっと眺めるとは とても思えないですが・・」

私の回答は以下の通り「尋常な方法では巨大借金を返済するのはもう無理です。日銀や財務省の頭の良い方は、本音では7%程度のインフレを10年続けたいのだと思います。借金が実質半分になるので。ところが異次元緩和の開始でインフレ加速を抑制する手段を失ってしまったのです。伝統的金融政策に固着していれば心配不要だったのですが。だから私は異次元緩和に当初から大反対していたのです。金融の歴史を学んでいれば、財政ファイナンスが金融論の世界で『禁じ手中の禁じ手』と言われているのは、そういう理由でもあるのです。歴史を踏まえてのことなのです。」 

6.「インフレを止める手段はあるか?」

昨日、私のtwitterに以下の私への応援メッセージが来た。「マイルドインフレの丁度よい所で調整できれば理想ですね。 問題なのは、インフレを止める手段がほぼないことです。 インフレスパイラルに入ったときに、利上げ等の抑制策を打てないと、どんどん加速していってしまいます…」

私のリツイートは以下の通り。「そうなんです。伝統的金融政策では政策金利を上げれば、難なくインフレは抑えられます。しかし、異次元緩和を始めてしまった以上、政策金利を上げれば日銀がものすごい債務超過に陥ってしまうでしょうし、ばらまいた国債を回収しようとすると、長期金利が跳ね上がって国と日銀が破綻してしまいます。いずれにして円の価値は失墜してハイパーインフレになってしまいます」

7.「ハイパーインフレになると言い続けていればいつか当たるのか?」

昨日、わたしのtwitter1に以下のような揶揄メールが来た。「ハイパーインフレになると言い続ければいつか当たるっていう戦法――」私のリツイートは以下の通り「伝統的金融政策に固着していればハイパーインフレになるなど、いつまで言い続けてもハイパーインフレは来ませんよ。逆に財政ファイナンスをやれば必ず来る。だから歴史から学んだ世界中が、財政ファイナンスを禁じ手の禁じ手としていたのです。発行国債の半分以上を中央銀行が保有しているなんて、日本はまさに財政ファイナンス実行中」

8.「イチョウとハクモクレン」

昨日、本日とテニス2試合ずつ。3試合したいのだが、肘が痛いので、2試合でやめておく。テニスコートからの帰りに通るイチョウ並木の散り具合がいい。一方、我が家の庭ではハクモクレンの芽吹きが。

イチョウ並木

ハクモクレン