「イールドカーブのベアスティープン化は債券保有者への赤信号」「ドル高・円安傾向」他

2021年02月05日

1.「イールドカーブのベアスティープン化は債券保有者への赤信号」

昨日のブルムバーグ記事いわく「トム・ディガロマ氏は『米国の追加経済対策案がまとまり、インフレが加速し始めるとの見方がイールドカーブに影響を与えている』と指摘。『米金融当局が利上げすることはできないとの理由から、カーブのフロントエンドはほぼ固定されている。一方でインフレが上昇しつつあるとの見方を基に、バックエンドは売り圧力にさらされやすい』と分析した」。ベアースティープン化(全体的な金利上昇下でイールドカーブが立つ)は債券保有者への赤信号である。気をつけた方がいい。イールドカーブの意味するところに関しては「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)をご参照。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-03/QNYSH6T1UM0Y01?srnd=cojp-v2 

2.「ドル高・円安傾向」

昨日のNY市場はイールドカーブのベアスティープン化が進み、それにより円安ドル高が進行した。「日米長期金利差がなぜ為替に大きく影響するのか?」は、「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)をご参照。わかりやすく、かつ詳しく説明している。 

藤巻健史の資金運用大全

3.「ワクチン争奪戦の敗戦の政治責任は?」

コロナ鎮静化は、自粛よりもワクチン接種をいかに迅速に行うかに、かかっている。それがゆえに(日経新聞が)「ワクチン争奪戦」と表現している戦いが世界中で起こり、日本は完璧にその戦の敗者になってしまったのだ。なぜワクチン接種の遅れが政治責任化しないのか?自粛警察で視聴率を稼ぐことより、ワクチン獲得へ邁進するよう監視するのが、政治家や、マスコミの使命ではなかったのか? 以下、本日の日経新聞に載っていた英フィナンシャルタイムズ(FT)の「EUワクチン戦略の失敗」という翻訳記事。

「欧州連合(EU)が、新型コロナウイルス向けのワクチンの供給を順調に進められずにいることが政治的な大問題になっている。これはEUの指導的立場にある一部の政治家にとっては、政治生命を失いかねない大失態といえる。」「米国やイスラエル、英国が先を争ってワクチンの量の確保に走る中、EUの官僚らはワクチンの値下げ交渉や契約内容で、過剰なまでに慎重な交渉を重ねていた」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM037250T00C21A2000000/ 

4「ワクチン争奪戦の敗者・日本」

今朝、JPモルガンの同僚の米国人からメールが来ていた。「Both**(奥さん) and I have received our first COVID vaccine doses and will get the second dose later this month.  What is the vaccination situation in Japan and for you? 」「夫婦2人も1回目のワクチン接種を終えた。今月後半に2回目を受ける。日本の接種状況はどうか?タケシはもう受けたか?」 世界で63か国も接種開始したなかで、日本では医療関係者さえもまだ接種を開始していないと返答すると驚くだろうな。それとも「やはり日本だからしょうがないか?」と返ってくるのだろうか?日経新聞曰く「世界で争奪戦が激しいワクチンの確保には不透明感が強く」。ワクチン争奪戦の敗者、日本、なさけなや。

日経新聞記事「ワクチン5000万人計画 薄氷」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68848530U1A200C2EA2000/

5.「五輪観客『来月にも判断』」

政府も東京都も、コロナ対策は「人命尊重」というより、「どうやれば(政権の人気浮揚につながる)オリンピックを開催できるか?」を基準に動いている気がしてならないのは、私の根性がひん曲がっているせいか?https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03E000T00C21A2000000/

6.「東洋学園大学のホームページ」

私が理事を務める東洋学園大学の公式ホームページに拙著「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)の紹介を載せていただいた。受験生の皆さま、高校生の皆さま、拙著の件に限らず、東洋学園大学のホームページ一度是非アクセスしていただければと思います。

https://www.tyg.jp/index.html

https://www.tyg.jp/research/detail.html?id=7491