「債券ベアファンドの魅力」「良い金利上昇』が起きて中央銀行が危なくなるのは世界で日本だけ」他

2021年02月06日

1.「債券ベアファンドの魅力」

米国長期金利の上昇が止まらない。そのせいで拙著の宣伝とともにこのSNSで盛んにその魅力を述べてきた債券ベアファンドの値上がりがすさまじい。米債券のベアファンドは米金利が上昇する(=国債価格が下がる)と儲かる投信。TMV(米20年債のショートの投信・日本の証券会社で買える)などがある。組み込んだ債券ショートの意味・仕組み等の基礎を「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)できちんと学んでからどうぞ。ちなみにこのように値段が下がるともうかる投信なども私がお勧めするドル資産の一つで日経宣伝⑩ある。

 

2.「『良い金利上昇』が起きて中央銀行が危なくなるのは世界で日本だけ」

以下、昨日の日経新聞夕刊。今後「よい金利上昇」が起きてくるとの予想記事だが、日本では「よき金利上昇」が起きると日銀が債務超過になり円が紙屑となってしまう。「良い金利上昇」が起きると中央銀行が債務超過で危機になってしまうのは世界中で日本だけ。とんでもない国になってしまった。財政規律を放置した人災だ。「モルガン・スタンレーのマシュー・ホーンバック氏は『(略)2021年末に10年債は1.45%、30年債は2.40%に上昇すると予測する。景気回復に加え、21年終盤には米連邦準備理事会(FRB)が国債の購入を縮小するとの観測もある。21年の金利上昇は多くの市場関係者の基本シナリオとなっている』『ところが2月に入ってからは金利上昇と株高が足並みをそろえるようになった。低金利が株高を支える流動性相場が崩れるという懸念より、景気回復に着目した『よい金利上昇』との捉え方が優勢となっている。』

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68853220V00C21A2ENI000/

 

3.「え、え、え、、通貨発行益は株の分配金が主体???の世界」

昨年末に日銀が国内最大の株保有者になったという本日の日経新聞記事。何度も言うが世界中で株を金融政策目的で買っている中央銀行は日銀だけである。「中央銀行たるもの、通貨の信用を守るために価格が上下する資産など買ってはいけない」のだ。買うだけでも異常なのに日本最大の保有者。異常もここに極まれり。さらに、これも何度か指摘したが、日経新聞の書くとおり「20年度上期の株からの分配金は6759億円で初めて国債の利息(5524億円)を抜いた」のだ。え、え、え、、通貨発行益は株の分配金が主体???の世界。昔の金融マンが聞いたら、「おてんとうさまが西から上がる」くらいびっくり仰天するはずだ。それほどの異常なニュースが日本ではサラ~と流される。日銀はもはや中央銀行ではない、政府の紙幣印刷所にすぎない。保有株も長期債も減額する手段を日銀は持ち合わせていない。減額すればマーケットがひっくり返る。すでに日銀をつぶし、新しい中央銀行を創設するしかない事態だ、。円は紙屑となり新しい法定通貨の発行しか中央銀行機能の回復は無理だろう。ドルに換えておくのが生きる道。「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)をご参照。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF057000V00C21A2000000/

 

4.「『紙幣はいくらでも刷れる』が『信頼される紙幣はいくらでも刷ることは出来ない』」

ドイツのハイパーインフレのことを書いた「ハイパーインフレの悪夢」(アダム・ファーガソン)に以下の記述がある。「ほとんどのドイツ国民は、慣れ親しみ信頼していた通貨であるマルクを手放そうとしなかった。もうこれで終わりだという暴落が何度も起こっても、それが変わらなかった。マルクにしがみつくしか選択肢がなかった者も多い。しかし、ドイツの中央銀行であるライヒスバンクの原則“1マルクは1マルク”-1マルクには常に1マルクの価値があり、けっしてかわらないーに励まされたり、惑わされたりしていた。」最後の部分を、「日本の1部の国会議員や国民はMMT論者の説く原則“いくら刷っても1円は1円”-1円には常に1円の価値があり、けっしてかわらないーに励まされたり、惑わされたりしていた」と書き換えると、将来の歴史学者の書く2020年代の日本の現状になると思う。保険の意味でドル資産を購入しておくのが賢明だ。 

5.「人が食べていくには働くかお金に働いてもらうしかない」

先月末発売の婦人画報に書いた私の連載は「留学の勧め」です。読んでみてください。「私はNHKの『英語でしゃべらナイト』という英語番組に2度ゲストとして出演させてもらったことがあります。(略)2度目は、我が家での録画でした。この時はずっと英語だったのですが、収録を見学していた家内が、アシスタント・ディレクターの女性に聞きました。『1回目で英語が出来ないことがよくわかったでしょうに、よくまた出演させてくださいましたね』と。若いアシスタント・ディレクターの彼女、とても正直な性格だったのでしょう(笑い)、『藤巻さんは、一応インターナショナルの世界で成功された方です。その方の英語がこの程度で、それでも活躍できたとなると視聴者の方がやる気を出すのです』アチャー、でした(笑い)(略)新年号で、『人が食べていくには働くかお金に働いてもらうしかない。40年間経済低迷が続いている日本で働いていても給料は上がらない。それならお金を外国に出して稼いでもらうべきだ』と書きました。(略) 今月号では、お金に働いてもらうだけでなく、個人も高い給料をもらうべく留学を考えては?という提案をしたいと思います。留学は若い方なら自分自身へ、年配の方なら子供への投資です。(以下略)」

婦人画報「留学」

婦人画報留学②