「さらなる大幅円安を予想」「日銀が破綻したら、新たな中央銀行を作るしかない」

2021年03月05日

1.「日銀が破綻したら、新たな中央銀行を作るしかない」

小説「The Exit」の作者で元時事通信記者、相場英雄さんとの対談記事(3回シリーズ)の第2回目が、本日日経ビジネスオンラインで公開されました。タイトルは「日銀が破綻したら、新たな中央銀行を作るしかない」・前回の續きです。無料で読めます。

https://business.nikkei.com/

 

2.「さらなる大幅円安を予想」

昨晩は106円台だったドル/円が現在、107円94銭と約1円と、ささやかではあるものの、円安が進行中だ。米長期金利の上昇が継続している一方、円長期金利は上昇すると日銀が倒産してしまうのだから日銀が、極力、腕力で押さえつけようとする。日米長期金利が拡大するのだから円が下落するのは当然だ。さらにそれが進行すると、日銀も日本の長期金利を抑えられなくなり、債務超過で日銀の危機、円の紙くず化の危機が迫るのだから円安は急速に加速すると思う。

欧米のリスクテーカーたちはサラリーマン・トレーダーではなく一種の自営業プロだ。重要指標を見渡せば個人破産(=首)のリスクがあるし、その一方、英中央銀行に勝ったといわれるソロスのように大儲けのチャンスもある。だから目を皿のようにして世界情勢を分析している。弱いと思ったところ(=円)にはとびかかる。(注=それを人は、きっと市場の暴力と呼ぶだろうが、財政赤字をため込んだ人災であり、政策ミスのトガメだ)

なお、日米長期金利差が拡大すればドル高・円安になる理由・仕組みは1月17日に発売した拙著「藤巻健史の資金運用大全」(幻冬舎新書)に詳しく書いてある。「キャリートレード」の概念と同じである。ただ識者がよく言うキャリートレードではない。そんなものは実際の世界ではマイナー取引だ。個人のFX取引と財務省の為替介入くらいが純粋なキャリートレード。ヘッジファンドや我々リスクテーカー(私は元リスクテーカーでしかないが)為替先物で勝負をする。長期金利差が開くと先物のドルを買うが、先物のドル買いは直物のドル買いを誘発する。だから金利差の動きと時間差無くドル/円が動く。為替は実質金利差だとかインフレ率の差で動くなどと話す人がいるがそれは机上の空論。