「史上最低圏レベルの米長期金利は、今でもあまりに低すぎる」

2021年03月08日

「史上最低圏レベルの米長期金利は、今でもあまりに低すぎる」

「史上最高圏にある株価&史上稀にみるお金のじゃぶじゃぶ状態」と「長期金利の最低レベル」は、両立しない。「景気が良い、インフレが予想される、お金が余っている」となると人々は競ってお金を借り、事業を開始しようとする。株や実物資産への投資の代わりに、長期固定金利の預金でお金を運用しようという人はいなくなる。その結果、長期金利は上昇する。

「史上最高圏にある株価&史上稀にみるお金のじゃぶじゃぶ状態」ならば長期金利は、「稀にみる高さ」でもおかしくない。しかしながら、現在の米長期金利はたったの1.6%。1980年の20%超えと比べると、異常なほどに低い。史上稀にみる低さだ。

20%まで行くとも思わないが、6~7%まで行ってもおかしくない。元米財務長官のサマーズ氏や元IMFチーフエコノミストのブランシャール氏が警戒するように、さらなる財政出動で景気過熱が起こるなようならばさらに大きく上昇するだろう。

「長期金利は市場が決める」が、私の金融マン時代の常識だったのでだが、中央銀行は昔の常識に挑戦している。(日銀と比べればたいしたことがないとはいえ)FRBも長期金利を低く押さえつけていた。そのひずみの修正局面が来るなら、押さえつけていた反動で、長期金利はとんでもなく上昇すると思う。私がTMV(米長期金利が上昇すると儲かる投信) は魅力的だと思う理由だ。