1.心配な米長期債入札
ブル部バーグニュース「(今週の米長期債市場は)打ちのめされている米国債市
場が再び試練の1週間を迎える。経済成長やインフレの見通しが改善する中で
売り込まれた年限を中心とした大規模な入札を吸収する必要に迫られる」こん
な地合いでもし入札が失敗だと大きく長期金利は跳ね上がるだろう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-22/QQAJP8T1UM0X01?srnd=cojp-v2
2.異次元緩和継続は長期金利を押し上げる
「中央銀行が長期金利をコントロールできる」などとは日本人以外、誰も思っていない。だから中央銀行が「ゼロ金利を続ける」、「異次元緩和を継続する」と発言すると海外では長期金利が上がる、お金がジャブジャブになりインフレ懸念が強くなるからだ。欧米でいう政策金利とは短期金利。政策金利を長期間、抑えようとすればするほど長期金利は上昇する。FEDも長期間、緩和政策を継続するというのだから長期金利上昇派あたりまえ。
3.米長期金利はあまりに低過ぎる
1980年米10年もの金利は20%を超えた。1987年ブラックマンデー直前は10%だった。こんなにお金がじゃぶじゃぶでインフレ懸念があらゆるところで聞かれるときにたったの1.6%はあまりに常識はずれ。
4.日本の債券投資、シミのような金利のために莫大なリスクを取る?
世界的金利上昇が起こると日米長期金利差拡大で、円安を通じて日本も景気回復、インフレ懸念が起きるだろう。日本の金利もいずれ上がるということ。こんな時に0.1%と言うしみのような利益のために莫大なリスクを取る人の気が知れない。次部の金なら絶対にそんな勝負はしない。
5.中央銀行マンからからも強いインフ予想
今朝のニュース。「バーキン米リッチモンド連銀総裁いわく「米経済は強い春と夏を迎える」「「2021年の価格圧力を予想」「インフレは1年の現象ではなく多年にわたる」中央銀行マンからからも強いインフ予想が出始めた。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20210322-00000005-dzh-fx
6.「現行政策は妥当、懸念及ばず」はとんでも論文
本日の日経新聞の経済教室に載ったハーバード大学リサーチフェローの論文。
とんでもなくいい加減だ。欧米向けならまだ多少理解できる点もあるが、日本の
新聞に、よくこんないい加減な論考を載せるよな、と思う。日本の事情が全く分
かっていない。もっともほとんどの欧米の学者は日本の事情には興味がないか
ら頓珍漢なことを言うことが多い。私がJPモルガン勤務のころ、海外から来る
外国人論客、学者の多くは、来日すると、まずは私の支店長室を訪ねてきたり米
国大使公邸で、私に日本の事情を聴いたりしたものだ。そしてフジマキ・イング
リシュを正しい英語に翻訳し、自分の意見として公言していた。
この「経済教室」の論考は図1の「主要中央銀行のバランスシート規模」を見
たとたん、筆者は何もわかっていないなと思った。図1は2008年8月、すなわちリーマンショック直前を100として各中央銀行のバランスシートがどのくらい拡大したかを示している。日銀のBS拡大はたいしたことがないように見える。しかし他の中央銀行がリーマンショック後にBS の拡大を始めたのいに対し、日銀は先行してはるか以前に拡大を開始している。1991年末のバランス規模は49兆円、リーマンショックの時はすでに109兆円で2倍、今は712兆円で平時の14倍だ。
一番の問題は、「財政当局にとっての出口戦略は増税と歳出削減だ.(中略)中銀
には、出口戦略として2つの選択肢がある。一つは政策金利の引き上げ、もう一つはバランスシートの縮小だ。どちらも、あるいは両方を、必要と考えるだけ大胆に実施すればよい」の部分の記述。筆者は日本政府や日銀がそれを出来ると思っているのだろうか?政府の出口戦略である増税は(国民の大反対を覚悟すれば)可能だろう、消費税を明日から40%に上げれば何とかなるかもしれない。しかし「中央銀行は政策金利を引き上げればいい」の部分はエエエ?莫大な損の垂れ流しと保有債券の評価損の極大化はどうするの?と問いたい。
「バランスシートを縮小させればいい」の部分もエエエ??だ。保有株の売却さ
え出来ないのに、何倍もでかい保有国債をどうやって減らすのか?売却すれば
長期金利は爆騰で、政府は資金繰り倒産だし、日銀も莫大なる売却損の計上で倒
産だ。一番の大問題の解決策を示めさずに「出口戦略をとればいい」など、なん
とも無責任きわまりない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH089HC0Y1A300C2000000/