「健全な米国、MMTに毒された日本」
債務残高の対GDP比は日本が266%と世界ダントツに悪いのに対し、米国は131%。税収はGDPにほぼ比例するから、この数字が大きければ大きいほど、税収での借金返済が難しいことになる。日本は、将来の税金での借金返済が、米国より段違いに厳しい。さらに本日の日経新聞「エコノミスト360°視点」で中空麻奈氏が指摘していたように、日本は高齢化で、借金を返済する労働生産人口が少ないから、税金で借金を返すのは、さらに難しい状態。かわいそうな若者たち。世代間格差は日本最大の格差問題。
米国は借金を返すのが日本よりはるかに楽であるにもかかわらず、共和党は民主党の巨大財政出動案に反対。バイデン大統領は法人税での増税で財源を明示し、財政規律回復を目指している。ちなみにバイデン大統領案は15年間で275兆円(1年平均18兆円)の増税を予定しているが、米国よりはるかに税率の高い日本の法人税収は令和3年度予算でたったの9兆円に過ぎない。
財政出動反対の野党を持ち、大統領が、財政出動の財源を示す米国に対し、日本は、与野党ともに、さらなる財政出動を主張し、セーブをかける政党はない。もちろん増税などの話は全く出てこない。MMTという「とんでも理論」に毒されている日本と健全な感覚の残る米国の未来は大違いになるだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70803690Y1A400C2MM0000/