1.「米国の債務削減努力や、EUへの参加のための必須条件マーストリヒト条約は無駄だったのか」
先週、寄稿を頼まれていた “The International Economy”の冬号が送られてきた。3号続けて寄稿を依頼されたが、JPモルガン時代の実績のせいだと思う。今号では、アジアから寄稿を依頼されたのは私一人、数少ない実務家の寄稿者のうちの一人だ。
”The International Economy”は、知人の元外交官が「フジマキ君、The International Economyに寄稿を依頼されているの? 尊敬しちゃうな」とおっしゃってくださった程に世界的に権威がある経済誌で、今回は「財政出動&中央銀行の国債買い取り」という革命を世界の経済専門家たちは過小評価しているのか?それとも、多くの革命と同様、涙で終わるのか?今までの米国の債務削減努力や、EUへの参加のための必須条件(年間赤字はGDP比で3%ルール以内、政府債務残高のGDP比は60%ルール以下)を決めたマーストリヒト条約は無駄だったのか、を議論している。「編集でばっさり削られるだろう」と、制限字数の3倍、書いて提出したが、そのまま載せてくれた。24人の論者の中では抜群の長さだ。読者に「空気の読めないやつだ」と思われるかもしれないが、空気は読むものでなく、吸うものなので(笑い)。
私の原稿は21ページから。
http://www.international-economy.com/
このリンクを開けて、上から2番目の緑
Is the World Undergoing a Fiscal/Debt Revolution?
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2.「国の借金は増税により返済した方が、若者にはいい」
危機感を感じはじめた経済学者が、次々と声を上げ始めたようだ。日経新聞がやっと問題の大きさに気づき、現代の大問題を取り上げ始めたということかもしれない。
本日の日経新聞の経済教室は吉田浩東北大学教授の論考。今の政策は若者世代に大きな負担を残す世代間格差拡大(我々高齢者いい思いをして若者が大変な思いをする)政策だと説いているのに、MMT信者の若者たちは「ぜひ負担は私たちが背負います」とおっしゃってくださっている。なんと老人思いの若者たちだろう。吉田教授の結論は「ショック対応のための給付金政策が国債によりファイナンスされる場合には、国の借金は増税により返済した方が資本蓄積はより早く回復し、将来世代の経済厚生(社会全体の満足度)は高いという結論になる」だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD225QK0S1A420C2000000/