1.「『今後、米国はドル高政策を取る』と思う理由」
今の米国のインフレ懸念は、「量的緩和で世界的にお金ジャブジャブー>世界的資産インフレー>資産効果で景気回復―>景気回復による原材料価格の高騰」という1985年から90年までの日本のバブルと同じ構造で起きている(注:当時、原材料高騰が起きたかは記憶にないが)。中央銀行が、資産高騰の意味に気がつかずに引き締めが遅れている点も同じ。違いは、日本のバブル時は強烈な円高とう超デフレ要因が超インフレ要因を相殺していたこと(1984年末の1ドル=251.58円が3年後の1987円末には1ドル=122円)。しかし、今のドルは安定。ドル高というデフレ要因が存在しない以上、現在の米国はものすごいインフレになると思う。その時の対処方法は「強烈な金利引き上げ」と、「強烈なドル高政策」。しかし、その時、日本の金利もつれ高となり、日銀は莫大な債務超過。円は紙くず化となる可能性大。
2.「長期金利のヘッジにはTMV」
年初来お勧めしてきたTMV (長期金利が上昇すると儲かる投資信託)は年初来50%UPとなってきた。今年1月発売の「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)にも詳しく書いたが、円紙くず化のヘッジ手段としても有効だと思っている。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12F380S1A510C2000000/
3.「全国の85%の市町村で7月末までに高齢者の接種が終わる。なに、それ?」
昨日、菅総理は「全国の85%を占める1490市町村で7月末までに高齢者の接種が終わると報告を受けた」と説明したそうだ。なに、それ?こんな数字を発表する政府も政府だが、それをそのまま流すマスコミもマスコミだ。ワクチン敗戦批判が強まる中「ワクチン接種が進んでいる感」を出したかったのだろう。しかし、こんな数字を出したら、「国民の目をごまかそうとしている」との疑惑が出て逆効果だろう。国民を馬鹿にしているのか?と腹さえ立つ。ワクチン接種の進捗率は高齢者の何%が7月までに住むかという人数比で判断する。それがコロナを制圧できるか否かの指標となる数字だ。加重平均という概念を国民は知らないと思っているのだろうか?例えば、人口1万人の離島の村9町村と人口約90万人の世田谷区の計10町村で考えよう。人口1万人の9町村では7月までに接種が終わり、世田谷区では50%しか終わっていなかったら、「90%の市町村で7月までに接種完了」していることになる。しかし人口比で考えると、接種率は54万人/99万人でたったの55%の接種に過ぎない。接種は全く進んでいないことになる。東京、大阪の都市圏に優先的にワクチンを回さず感染確率の低い離島や小さな村にワクチンを配っているのは、この数字を発表したかったからか?この数字を使ってどうしてもオリンピックを開催したいのかと疑ってしまう。こういう数字の使い方はマーケットで素人をごまかす時によく使う手。それを政府が政治利用のために使うのなら、とんでもない話だと思う。今後、接種率はあくまでも人口との対比で行うべし。