.「名目GDPは増えず、税収もまったく増えていないのに、歳出だけが急増=これを放漫財政という」他

2021年06月25日

1.「名目GDPは増えず、税収もまったく増えていないのに、歳出だけが急増=これを放漫財政という」

国の税収が2019 年度を上回り58 兆円を上回りそうだとのこと。問題は、この記事が指摘するように、58 兆円の税収に対し、20年度は175.5兆円も歳出したこと。21年度も(当初予算段階で)105.5兆円も使うこと。ところで記事には過去最高だった税収は18年度の60.4兆円とあるが、それまでの最高は、あの狂乱経済といわれたバブル最終年1990年の60. 1兆円だった。ただこの時の消費税は3%だから、もし当時の消費税が10%だったら75 兆円くらいはあったと思われる。名目GDPが1990年度の529兆円から2020年度は536兆円とちっとも増えていない(=世界ダントツのビリ成長)のだから税収が増えないのは当たり前だ。安倍政権や菅政権の「経済成長無くして財政再建なし」の決まり文句がなんとむなしい。ちなみに1990年の歳出は69兆円に過ぎなかった。(この歳出規模なら、コロナ後は税収+税外収入で何とか均衡財政が保てた)

名目GDPは増えず、税収もまったく増えていないのに歳出だけが急増している。こういうのを放漫財政という。これだから世界最悪の財政状態になり、国がハイパーインフレという形で借金を踏み倒すことになるのは当然の帰結。財政楽観論がふりまかれ、こうなる前に誰も真剣に財政を考えてこなかったことが、日本の不幸。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73235000U1A620C2EP0000/

 

2.{私は増税論者ではない}

よく誤解する人がいるが、私は「増税論者」ではない。政府は「真に困っている人は助ける」という前提のもとで「国民の自助努力」が必要だと思っている。「民間に出来ることは民間に任せ、政府は口を出さない」という小さな政府論者だ。政府が小さければ歳出が少ないのだから、当然税金は少なくて済む。そういう意味では、私は「減税論者」だ。ただしバブル崩壊以降に作ってしまった道路を壊してもお金は戻ってこない。ばらまいてしまったお金を「返してもらう」ことも出来ない。使ってしまったお金(=増やしてしまった借金)は戻ってこない。借金解消は、現実問題として「大増税か借金踏み倒し」しかない。今、減税をすれば、ハイパーインフレという借金踏み倒し確率が高くなるだけの話。だから今は、減税には賛成できないというだけ。X デイが来て、ガラガラポンの後には「小さな政府&少ない税金」の世界を作らないと再度同じ間違いを犯すことになる。