「日銀の債務超過とは政府が埋めれば済む話か?」「円がいまだ暴落しない理由とは?」他

2021年07月11日

1.「円がいまだ暴落しない理由とは?」

昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「わかった気になります。(知識少ないから) いつも有難うございます。 円が暴落しない理由は なんなのでしょうか?(魅力が無いのに、、)」

私の返事は以下の通り。「まだ日銀が純資産で、債務超過になっいからです。水をコップに注ぐとき、水がコップの縁近くまで注がれていても、縁からこぼれ始める前と後とでは、事態が全然違います」

 

2.「日銀の債務超過とは政府が埋めれば済む話か?」

上記の私の回答に対して、さらに以下のリツイートが来た。「日銀が債務超過になったら政府が出資すればいいだけなのに『縁まで注がれて』とかおどろおどろしい、具体性がない言葉を使って恐怖心を煽る経済学者は無視した方がいいですよ」

私の返事は以下の通り。「もし政府が単年度黒字であれば、確かに政府が追加出資をして穴埋めすれば済む話です。しかし日本は毎年巨額の赤字。日銀が穴埋めする資金は、日銀が新しく紙を刷って穴埋めに充てるの?それってなに?という世界です。蛸足?そんな中央銀行とその発行する紙幣を世界が信用すると思うのか?という話です」

 

3.「日銀は債務超過になっても何とかするか?」

上記の私の回答に対し、他の方からさらにリツイートが来た。「そもそも自己資本がプラスじゃないと日銀の業務が出来ないのか?って議論もあるようですし、国債の買い換えで将来的に得られる利益を自己資本に充当するとか、政府に交付国債発行してもらうとか方法はあるみたいなんで、まあ上手くやるんじゃないですか?」

私の回答は以下の通り。「破産しそうな会社が、何とかうまく資金繰りを回していくと言っても銀行は金を貸してくれません。日銀も同じ。日銀が業務をうまくやると言っても、外資はそんな中央銀行を信じません。外資が日銀当座預金口座をclose すれば円でのドル購入は不能に。円local 通貨化。日本は石油も農産物も購入不可能に」

 

4.「金利上昇は日銀破綻に結びつくか?」

昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「「すいません、日銀は国債550兆円を保有する側だから金利上昇は日銀破綻には結び付かないのでは? 政府が金利を支払えなくなれば日銀が困ってしまい破綻する、そういうロジックでしょうか いずれにせよ、長期国債まで買い入れる日銀の異常性ときたら誰がどうみても破綻に突き進んでいますね」

私の回答は以下の通り。「金利上昇とは価格の下落と同義語です。保有している国債の値段が下がれば日銀は評価損が発生します。日銀自身は償却原価法だから評価損は計上されないと主張していますが、信用を判断するのは与信(日銀にお金を預ける方です)サイドで、簿価会計で相手方の信用を判断する機関など今頃ないのです」

 

5.「日銀は保有国債を時価評価しなければ大丈夫か?」

上記の質問に関して、以下のリツイートが来た「国債を時価会計しなきゃ債務超過なんて起きないでしょ?」

私の回答は以下の通り「貴兄が銀行からお金を借りていて、貴兄が100円で買った株が20円に下がっているとき、貴兄が簿価は100円だといくら口に泡を飛ばして主張したところで。お金を貸している銀行は、あなた保有の株は20円という評価しかしないということです」

 

6.「日銀は民間の会計と別な会計手法が許されるのか?」

上記の回答に関して以下のリツイートが来た。「そんな事言ったって時価会計しないことになってるんだからそれはそれで良いのでは?第一中央銀行を一般企業と同じ尺度で評価するのがおかしいと思います。そんな事したいのは市場に波を立てて利益を得たい人達位じゃないですか?」

私の回答は以下の通り。「日銀自身も20世紀終わりに会計の基準を民間と同じにすると宣言しています。民間の基準とは『満期まで保有するのは簿価会計、途中売却するのは時価会計』ということです。この基準を作った当時の日銀保有国債は3か月を中心とした短期債ばかり。満期まで持つのが普通ですから簿価会計でおかしくはありません」。しかし、今の日銀保有は10年国債中心の長期債ばかり。景気が良くなったら売却し資金吸収するはずです(そうでなければ日銀は金融機能を放たことになります)。ならば、今は時価会計を採用しなければならないはずです。ここも大問題。私も国会で追及したことがありますが、黒田総裁は、「むにゃむにゃ」でお仕舞」

 

7.「世界の中央銀行の中で、今、破綻リスクを抱えているのは日銀だけ」

昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「日米にリスクが存在するなら他の世界各国にもリスクは存在するはずですよね。日本に超大なリスクが存在するならただでさえ香港、台湾、チベット、ウイグルの件で言動行動が疑われている中華人民共和国にも超大なリスクが存在するはずです。それなのに取り上げないのはおかしいのではないでしょうか?」

私の回答は以下の通り「今のところ破綻するリスクを抱えているのは世界中の中央銀行で日銀だけだと思うので」。

 

8.「このまま低金利が続いたら米国はバブルにならないか?」

昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「米CPIでインフレは一時的と一喜一憂してますが、CPIに含まれない住宅や土地価格は過去最高になってます。このまま低金利続いたらバブルになり弾けたりしないでしょうか?」

私の回答は以下の通り。「その通りです。日本のバブル時は経済が狂乱しました。土地や株の値が急騰した資産効果のせい。インフレが加速してもおかしくなかったのですが、CPIはごく低いまま。3年間で130円もの円高進行という超デフレ要因が存在したからです。米国は今そうではありません。ものすごいインフレが起きると思います」

 

9 「日本のバブルを復習すべし(金融引き締めの遅れは命取り)」

上記の回答に対して、以下のリツイートが来た。

「先生が紹介していた「真説 バブル(日経BP)」にこのあたりのことはかなりわかりやすく書かれており、大変参考になりました。今回も金融引き締めの遅れが命取りになるとお考えですか?」

私の回答は以下の通り。「この本はFRB の幹部は読んでおくべきでしょうね。最後部の澄田日銀総裁の反省文は特に」

 

10。「X デイが来た時、危ないのはどこか?」

上記の回答に対し、他の方から以下のリツイートが来た。「「江戸幕府が、お金が無くなりフランスから武器が買えずイギリスから武器を調達した薩長に負けたように、幕府に金を貸していた江戸や大坂の豪商は倒れる。現代ではメガバンクかな」

私の回答は以下の通り

「いえ、メバンクは保有長期国債を極限近くまで減らしていますので生き残るでしょう。危ないのは国債保有を増やしている地方銀行と、異次元に保有額を増やしている日銀です。(メガやゆうちょから、ガンガンと国債を買い取っていて、今や発行額の半分以上を保有しています。昔はほぼゼロに近かったのですが)」

 

11、「ゆうちょ銀行が生き残るのは国際企業だから?」

上記に関して別の方からリツイートが来た。

「国策企業のゆうちょもですか!? って、国策企業だからこそ、その後も残るように、ということですね」

私の回答は以下の通り。「X デイが来てもメガバンクやゆうちょは比較的安全で、地銀は?日銀は完全にアウトと書いたのは、ゆうちょは一時総資産の(確か)88%を国債で運用していましたが、その危ない資産をどんどん日銀に売りつけて、今や総資産の28%しか国債で運用していないからです」