2021年07月12日

1.「英貴族院公聴会での白川元日銀総裁発言に関する論考」

朝日新聞・原記者の論考。一読をお勧めする。14日午前7時までならサイトでも無料で閲覧できる。最後のまとめは特に重要。「原記者は朝日新聞の記者だから政府・日銀を非難するのだろう」との批判を聞くこともあるが、とんでもない。経済政策・金融政策はイデオロギーとは全く関係ない。「共産主義経済を作れ、計画経済国家を作れ」の主張ならイデオロギーの問題かもしれないが、資本主義体制を前提とした政策である以上、国民を幸せにするか不幸にするか、正しい政策か間違った政策か、の議論でしかない。間違いを指摘し、鋭い質問をしてくれているのが原記者だ。危機に向かっている日銀を率いている黒田総裁に嫌われているのは記者としての勲章だと私は思う。

https://webronza.asahi.com/business/articles/2021070800005.html?returl=https://webronza.asahi.com/business/articles/2021070800005.html&code=101WRA

 

.「日銀を廃し、新中央銀行が出来るまでに、どのくらいの時間がかかるか?」

昨日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「「現日銀破綻から新日銀創設して海外との貿易再開するまでどのくらい掛かるんでしょうか?一年?」

私の回答は以下の通り。「中央銀行は社会に不可欠なインフラですから最優先で作ると思います。作ってから日銀と中央銀行のステータスのとっかえです。健全な財務内容の中央銀行が出来れば外資も日本に戻ってきて外貨取引も再開するでしょう、そのためにも新中央銀行の創設は急務です、ただハイパーインフレで国民の財産を十分吸いあげるまで(=究極の財政再建です)は、日銀を生かしておくと思います。今の中央銀行が発行している円紙幣は当然、無効です(その前にハイパーインフレで価値が無くなっていると思いますが)。放漫財政のツケで人災ですが、国民は悲劇です」

 

3.「どんな状態になると円が暴落するか?」

昨晩、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「巨額の赤字が続いて何年も経ちますが、具体的にどのくらい赤字になったり、どんな状況になると円がダメになるとお考えですか?」

私の回答は以下の通り。「何度も書きますが、円(=日銀の負債)の信用は日銀の財務内容によります。日銀はいまだ純資産です。そして長年赤字ではありません。昨年は確か1兆5000億円弱の黒字です。ただ、景気が良くなれば、事態は急変です。債務超過に陥りますし、巨大の損の垂れ流しになります。景気が良くなればアウトです」。

 

4「円の信用は日銀の信用による」

上記の回答に対し、先ほど以下のリツイートが来た「円の信用が日銀の財務内容って言うんだけど、そこが違う可能性があるもんね。円で買えるもの(土地、株式、製品、人材)のがあれば信用は保たれるんじゃないの?」

私の回答は以下の通り「第2次大戦後にドイツが旧中央銀行を廃し(旧通貨を廃止)、財政が健全な新中央銀行ブンデスバンクを創設(新通貨発行)せたことによりハイパーインフレを収めた(=そのために創設した)のをどう説明するのですか?ブンデスバンクの創設前と後とではドイツは中央銀行以外、何の変化もないのに、です」

 

5.「ハイパーインフレ鎮静策は、新中央銀行の設立」

昨晩、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「なぜ預金封鎖ではなく新中央銀行かの理由を全く理解できません。預金封鎖の方が一般的な手口のようです。他の識者の意見でも。ハイパーインフレの収束のために中央銀行を取り替えた国はドイツ以外にどこがあるのですか?当時のドイツと「その時」の日本のどこが共通なのですか?政治?経済?」

私の回答は以下の通り。「ハイパーインフレで紙くず同然になった通貨の信用を回復させる方法は大きく言って2つ。一つは預金封鎖&新券発行。2番目は新中央銀行設立。両方とも現在通貨を無効にして新通貨を発行させることですが、前者は私有財産権の侵害に当たる可能性大です」「前回やったのは昭和21年で戦後ですが、明治憲法下なので、かなり強引なことが出来たと思います。しかし私有財産権の確立した今では憲法違反の可能性大。その点、日銀を倒産させる手法では、日銀の負債(円)がパーになりますが、倒産による負債のパーは、現状でも私有財産権の侵害とは言いません」

 

6.「X デイの時、米国は日本を助けるか?」

昨晩、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「日銀の財務が悪化して外銀が日銀の口座を閉鎖しようとしたとき 世界経済への影響の大きさからアメリカ政府が止めようとする気はするのですが。日米金利差拡大等の円安進行により遅かれ早かれ同じコースは辿るのでしょうが」

私の回答は以下の通り。「外銀は日本国民を守るためには行動しません。株主に不利益が生じないように動きます。国家は自国民を守るために動きます。自国への影響が最小限になるように動きます。日本を助ける方が自国への損害が小さいか、早く手を引いた方が被害が少なくて済むか?です。ギリシャ危機では多くの国がギリシャを助けました。それは他国の銀行が大量にギリシャ国債等を保有し、助けないと自国銀行の金融システム不安が起きてしまうからです。残念ながら、外国人は日本国債をほとんど(特に長期債)持っていません。なにせ多くのMMT 論者が「日本国債は日本国民しか持っていないから、日本は破綻するわけがない」と主張しているくらいですから。したがって他国が被るダメージは比較的小さい。かってにこければ、の可能性が強いと思います。

 

7.「上智大での講義」

昨晩、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「なんと分かりやすい表現の仕方だろう …先生は先生の母校である一橋大学や早稲田大学で講座をされていたようだが先生の弟様の母校(&私の母校)である上智大学でも講座をして頂きたかった …」

私の返信は以下の通り。「上智大でも1回だけ(90分)乞われて、特別授業をしたことがありますよ。ただ工学系の学部の学生さん相手で、経済には興味が無かったようですし、また教室が暑かったせいで(私的にはその記憶が非常に強い)、皆さん、目がとろんとしていたのをよく覚えています(笑い)。

 

8.「オリンピックに思うこと」

あと、3か月早くワクチン接種を開始していれば、オリンピックを有観客で開催できただろうに。首相自身が10数回も海外に飛んでワクチン確保に飛び回ったイスラエルを見習うべきだった。接種開始が先進国中ダントツのビリだったことが、経済回復の遅れをはじめ、日本敗戦の原因。「自粛」というワクチン接種までの時間稼ぎのみに目が向き、何が重要(ワクチン確保)なのかの判断が出来なかった。その辺の判断が出来るリーダーが日本にはいないのか。

 

9.「時代は変わった」

昨日のテニスではM医師と組んで1勝1分け。チェンジコートの際、M医師が「フジマキ君ごめんね。ミスばっかりして足を引っ張っちゃって。僕は人生で、他人様に迷惑ばかりかけてきたんだよ、許してね」と言う。そこで、「先生、今までの人生で、最も人に迷惑をかけたのは何ですか?」と聞いたら、「何かな~?」と考え込んだ。「決まっているでしょう、医学部自治会の副委員長として紛争を起こし、東大入試を中止にさせたことでしょうが。おかげで私は東大受験が出来なかったんだから。これを人に対する迷惑と言わずに何を迷惑というんですか!!」accuseした。先生曰く「ごめん、ごめん」

当時、恨み骨髄だった相手と、今、こうして楽しく一緒にテニスを楽しむようになるとは当時は想像だにしなかった。時代は変わった。