1.「テーパリング開始は、長期金利急上昇のきっかけになるだろう」
テーパリング開始が米長期金利急上昇の契機となると思っている。今米長期債を買いましている大手はFRBと日本の機関投資家や外国の政府等の簿価会計採用機関、そしてデイトレーダーくらいだと思うからだ。需給だけでなんとか持たしている相場で、大口買い手が減れば相場が崩れるのは、ま~常識。
2,「テーパリングとは?」
マスコミやマーケット参加者の一部は「テーパリング」の意味を誤解しているとずっと思っている。現状は、最高速度で走っている車のアクセルを、毎時、さらに、さらに深く踏み込んでいる状況だ。踏み込んでいるアクセルの角度を毎時より深くしているということ。ここまで資産インフレが起き、CPIも加速しているとき、アクセルを、毎時、さらにより深く踏み込む必要があるのか?せめて深く踏む込んだアクセルをその角度のままで保持するくらいで十分ではないか?その状態のことをテーパリングの完了という。
テーパリング完了時は、今から、完了時までに、さらにアクセルを踏み込んでいるから、今の最高スピードより、さらに早い超最高速度走行だ。アクセルの踏み込み角度をさらに踏み込むのではなく、緩めるのが適切な時期なのではないか?それはテーパリングンを完了して、債券購入額を減らしていくということ。テーパリングの次に来る段階だ。そして、利上げとはブレーキを踏み始めることである。したがって、テーパリングの開始は、利上げよりかなり早いときに来る。
このようにテーパリングの正しい理解があれば、FRBのテーパリングが、まだ先などとは考えないのではないか?いつも言うように米国では資産インフレが進行し、経済は狂乱するだろう。デフレ要因となる超ドル高も起きていない。結果、CPIはとんでもないレベルまで跳ね上がると思っている。市場が決める米長期金利は1980年の20%超えに迫る可能性すらあると私は思っている。
3.「一流金融機関に勤めているエコノミストやアナリストでMMT理論を信じている人はいるのか?」
先週、私のTwitterに以下のリツイートがあった。「#MMT は、三井住友DSアセットマネジメント が書いているように、簡単に否定される。しかし経済財政貨幣の素人のMMT信者はこの文書を理解する教養を持ち合わせていない
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2019/04/irepo190419/ 」
私の回答は以下の通り。
「わかりやすいレポートですね。日本の一流金融機関に勤める経済論、金融論の基礎を勉強したエコノミストやアナリストでMMT理論を信じている人がいたら教えて欲しいです。私は皆無だと思います。日本の金融機関の人材は、そんなに劣化してはいないからです」