「米国が強いドルを望むわけ」「米金利低下、一時的な「需給要因」最多 QUICK調査」他

2021年08月03日

1.「米金利低下、一時的な「需給要因」最多 QUICK調査」

QUICKが行った債券市場関係者への調査では、足元の米長期金利の低下は一時的な需給要因との回答が最も多かったそうだ。常識的にそうだろう。購入した人は「他人より先に売り逃げよう」と思っているのだろうが、そういう人が一番逃げそこなうのが私の経験からの感想。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB022JE0S1A800C2000000/

2.「米国が強いドルを望むわけ」

米国以外は、景気浮揚のために通貨“安”政策を取る。「通貨戦争」と言われる。しかし、基軸通貨のドルを持つ米国だけは例外だ。最高の国益が「基軸通貨としての地位のキープ」だからだ。基軸通貨であるためには「強い」ことが不可欠だ。基軸通貨でさえあればMMT論者が言うように、ドルを刷れば刷るほど世界の富が買える。もちろん刷りすぎれば、価値は下落する。しかし、法定通貨だけの話なら、為替は相違的なもの(ドル/円でドルも円も両方下落ということは無い、どちらがより弱いかでドル/¥レートは決まる。それゆえに、代わりの基軸通貨が現れない限りドルを刷れば刷るだけ世界の富が買えることに変わりはない。もちろん、刷りすぎれば、世界中の法定通貨の価値が下がり(=インフレ)、金、暗号資産、実物資産への資金シフトは起きる(=バブル)。一方、基軸通貨ではない通貨(例えば円)は刷れば刷るほど(米国がドルを刷るより激しくする場合)、ドルとの交換価値が下落し、その国はインフレ(=貨幣価値の下落)となっていく。私が「政府・日銀は刷りたいだけ紙幣を刷れる」が「信用ある紙幣をいくらでも刷れるわけではない」という理由。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0441Y0U1A700C2000000/

 

3.「なに?『ウォール街企業が、住宅価格の上昇を招いた?』」

ブルムバーグニュースによると、米国保守派が「ウォール街企業が賃貸向けに戸建て住宅を取得する慣行が住宅価格上昇を招いている」と騒いでいるそうだ。なにをアホなこと言っているのか?だ。ウォール街企業が撤退すれば他の企業や人が、住宅を買いあがるだけの話。住宅価格上昇は異次元緩和のせいだ。ピリオッド。かって、誰だか忘れたが、日本でも「デフレは 安売りを行っている**社のせいだ・安売り辞めろ」と騒いだ識者がいたが、それと同じに非論理的だ。その企業が安く売らなければ他の企業が安く売る。

この議論のばかばかしさは別にして、こんな議論が出てくるからには、FRB も住宅価格上昇の弊害に目を向けなくてはならなくなろう。住宅価格の高騰は、日本のバブル(1985年―90年)の際、日銀が最後の最後までその重要性に気がつかなかった経済決定要因だ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-02/QX6L23DWX2PT01?srnd=cojp-v2

 

4.「人口減少との闘い」

私の尊敬する元日銀理事・山本謙三さんの論考。私がこれまであまり興味を持ってこなかった分野での論考だ。が、それゆえに、結論部分は、とても印象的だ。「日本はこれまで、労働生産性の低下を女性、高齢者の就業増で補ってきた。しかし、これからは、その逆、すなわち就業者の減少を、労働生産性の向上で補う姿を目指さなければならない。人口減少との闘いは、これまでは助走期間にすぎなかった。本当の闘いは、これから始まる」

https://www.kyinitiative.jp/

 

5.「お悔やみ:大分大学で教鞭をとられた(1978年か79年頃)英国人化学教授」」

一昨日、親友ビル・ジャービス(現在BOA のMD、NY州弁護士)の奥さん・ヘーゼルのお父様が亡くなった。101歳。ユーモアあふれる英国紳士で素晴らしい方だった。ご冥福をお祈りいたします。ヘーゼルのお父様は英国ブリストル大学の化学の教授。お母様は同大学の医学部の麻酔医だった。ロンドン転勤中、何度もブリストルのお宅にご招待いただき泊まらせていただいた(ビルとヘーゼルは米国在住)。お父様はヘーゼルを連れて来日。1年間、大分大学で教鞭をとられた(1978 年か79年頃)から教わった日本人の方もいらっしゃるはずだ。お父様の帰国後、日本に残ったヘーゼルと、私がケロッグスクール時代に親友となり、日本に呼んだビル(ELEC英語学校での英語教師の職を見つけ日本に呼び寄せた。ビルは2年間ビジネス、2年間法律のコースに在学中で、その間の1年間休学し日本にきた)とが、六本木の教会で出会い、結婚したのだ。ブリストルでの結婚式の時の話は後日記す。

社長 写真アルバム 20081020作成1-page15社長 写真アルバム 20081020作成1-page13