1.「ケネス・ロゴフ米ハーバード大教授の警告」
本日の日経新聞に載ったケネス・ロゴフ米ハーバード大教授の意見。彼の意見は私と被るものが多い。米国の学者なら世界的な経済誌「The International Economy」には、必ず目を通すと思うので、「The International Economy」に載っている私の主張にはかなり目を通してくれているだろうと自負している。
本日のインタビューで記録に残すべきコメントは「米企業は中小企業でも海外で大規模な借り入れが可能で、基軸通貨の『法外な特権』の一つだ」「いま米政府は低金利で借金を繰り返し、債務残高を膨らませている。所得の再分配には賛成だが、給付を増やすなら増税すべきだ。政治はリスクマネジメントの感覚を失った。低金利が永遠に続くとは限らない」「インフレが制御できなくなりそうなときに米国が積極的に利上げに動かなければ、ニクソン・ショックと似たことが起きドルの価値が下がる。皮肉な言い方をすれば5年ごとにパンデミック(世界的大流行)が起き、金利とインフレ率がゼロのまま続くなら問題は起きない」最後の一文は、私がいつも「逆説的だが、景気が良くなると日本はアウト(=日銀が債務超過に陥り円が紙くず化)」と言っているのと趣旨は同じ。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74631650Z00C21A8NN1000/
2.「五輪後の会場 収支課題」
本日の日経記事。この問題を取り上げたことは素晴らしい。年間の国立競技場24億円の維持費、その他6新築会場の計7.3兆円の維持費、計31.3億円を何年間にもわたって都民が負担し続ける。ただそれだけではない。国立競技場の建築費1569億円、その他6新築会場の建築費1375億円の計2944億円の減価償却費も都民の負担(税金)である。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG219BZ0R20C21A1000000/
3.「橋本会長、バッハ会長の登場で選手ら続々退場 五輪閉会式」
閉会式をテレビで見はじめて30分後に爆睡してしまった。ただつまらなかったからではなく、普段の私のベッドタイムだったから。眠気を抑えてまで見たいとの魅力は無かったとはいえる。ただあまりの酷評に、興味を持ち、翌朝、家内が撮ってくれたビデオを見た。パリのプレゼンが素晴らしかったので、あまりのセンスのなさが目立ったのは間違いなかった。しかし、それ以上に録画を見ていて感じたのは、都合が悪いところは見せないテレビの恣意性。世論を操縦しうる怖さ。産経新聞の書くこのニュースの事態はテレビでは全くわからない。日本選手を中心に、選手が皆、一所懸命バッハ会長の演説を聞いているようにしか見えない。せめて、この番組はエンタテイメントだからふさわしくないかもしれないが、せめて後のニュースでは、やるべきだ(ひょっとして、やったのかもしれないが)
しかし外国人は、はっきりしている。素晴らしければスタンディングオベーション。つまらなかったり、不満があれば、ブーイングか退席。意思表示がはっきりしている。しかし観客がいたら、さすがに、そこまでは(=退席)しなかっただろう。いないがゆえに、真の彼らの感想が聞けたのかも。
4.「地球の気温上昇」
本日の日経新聞1面トップ記事。政府間パネルは、産業革命前と比べ世界の気温が1.5度上昇する時期が10年早くなると予想したそうだ。気温上昇が人類にとって望ましくないのは間違いないだろう。しかし、それが巷で言われているように、本当にCO2が主因なのかは、私にはわからない。確か、日本のトップクラスのシンクタンクである日本総研の主任研究員の方も、CO2のせいではないとおっしゃっていた記憶がある。
私の信頼する中学のクラスメートの正統派天文学者も「地球の温度には地軸の傾きが一番影響する」と言っていた。地軸の傾きで太陽方向に向く海と陸の面積比率が異なるからだそうだ。ド素人の私には、わからないが、自然の動きに対して人間活動の影響を過大視しているような気もする。
私の「デフレの原因は円高のせい。円高是正はあくまでも伝統的金融政策で(=量的緩和ではなく、金利下げ。ゼロの次はマイナス金利で)という意見には、マイナー意見だからと全く聞く耳を持たず、「デフレの原因はお金の量の不足」と断定し、金融素人集団がそれに賛同しているからと、多数決をいいことに突っ走た政府・日銀と同じような気がするのだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA074ZX0X00C21A8000000/
5.「国歌」
昨日、市川崑監督の1964年東京オリンピックの記録映画を見たと書いたが、もう一つ感動したのが、国歌が流れ始めた時、天皇陛下がさっと立ちあがり、同時に、7万8千(?)の観衆が一斉に起立した場面。パラパラの起立ではない。一斉に、である。全員起立のドっという音まで採っていた。日本もリーダーがオロオロ立ちするような国に変わってしまったな~と嘆く。