「(異色の講演者)藤巻氏の主張は荒唐無稽か?」他

2021年08月15日

1.「(異色の講演者)藤巻氏の主張は荒唐無稽か?」

今まで、全く知らなかったのだが、昨日、偶然「ゆうちょ財団」の「貯蓄経済研究」の論考集の中に「藤巻氏の主張は荒唐無稽か?」というタイトルの論考があるのを見つけた。

「2007年10月のゆうちょ財団への組織改編後は、『ゆうちょ資産研セミナー』と銘打ち、日本総研主席研究員藻谷浩介氏、東京大学教授伊藤元重氏、日銀副総裁岩田規久男氏といった金融界、学界の錚々たる識者を招聘し、喫緊の課題について示唆に富む講演会を9回にわたり開催し、好評を博した。その中でも、最も異色の講演者は2013年2月のセミナーに登場した藤巻健史氏ではないだろうか。」8年も当たっていないから、「フジマキ説は当たっていない」と考えるか「8年間も当たらなかったのだから、もうそろそろ」と考えるか、だ。

https://www.yu-cho-f.jp/research/knowledge/clm018.html

 

2.「怖がることを忘れた」

8月12日の日経新聞1面「春秋」。

気がつくと緊急事態に慣らされ、怖がることを忘れたようだ。自宅療養者の数、全国に約4万5千人。中には症状の急変に怯(おび)える人がいる。真に背筋が凍るのはこの現状に麻痺(まひ)した心ではないか。均されて怖がることを忘れた」のは「コロナ緊急事態宣言」だけではない。財政赤字のでかさ、日銀の財務の悪さ、X デイが刻々と近づいている。良識ある金融マンなら、「いくらなんでもそれだけはやってはいけないだろう」という財政ファイナンスのせいで、危機が先送りされているだけだ。良識を無視したツケは大きい。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK112300R10C21A8000000/

 

3.「統合政府で考えると日本は安全か危険か?」

本日、私のtwitterに以下の書き込みがあった。「日本の日銀は連結決算で『相殺される』ので政府債務にもならない 親である政府が日銀の純資産にお金を入れられるので日銀破綻は出来ない。また無視されますか? 高橋是清さんはそれを知ってたから日銀買取りをして現金給付してた。 何か間違いでも?」

私の返事は以下の通り。「もう何十回と説明していますが、連結で見れば、統合政府の国債が日銀当座預金に置き換わっただけ。これからの金利上昇期に長期固定金利の負債が短期金利の負債に変わっただけです。金利上昇期に10年固定の低金利借り入れを短期変動金利の借入に変えているようなもので、こんな危険なことはありません」同じ方から反論があった「藤巻さん何度でもご説明します。まず自国通貨建てなので借り換えが効く。 そして日銀当座預金であろうと通貨発行に変わりはない。公共投資する分だけ預金も増える。 また『円の信認ガー』と仰いますか? 少し円安になり、インフレだけでハイパーの根拠は無い 本当に頭硬いなぁ」私のさらなる回答は以下の通り。「貸し続けるかどうかは、貸し手の権利であり義務ではありません。銀行に行って、今貸してくれている住宅ローンを未来永劫、貸し続けろ!と言ってみてください。円をドルに換えると日銀当座預金総計も減っていきます。円金利が上昇すれば支払い金利増で日銀倒産です」

更に別な方から質問が来た。「日銀が円を、刷ってるのだから、その当座の金も自分で刷って作ったら良いように思うのですが。 それと、明日には金利が急騰してるかもしれないですが、その確率より0%台のままの確率がはるかに高くないですか?」

私の回答は以下の通り。「日銀が自分で刷るのは自由かってですが、外国人(そして日本人も)が、そんな中央銀行が発行する通貨を信用し続けるか否かは別問題です。もし日銀が刷った紙幣で政府が日銀に資本注入をするなどという話が出たら、私はとっさに銀行窓口に飛び込んで円預金(もうほとんどないですが)をすべて引き下ろしますがね。金融に詳しい人なら同じ行動をとるので、そのニュースで取り付け騒ぎが起きると思います。もっとも、日銀への資本注入のニュースを流す前に、政府は資本規制発令の用意をしているでしょうから、間に合わないとは思いますが。」