「ハイパーインフレの危機が迫っている理由」「危機感は共有できても、藤巻氏の議論に乗るわけにはいかない」他

2021年08月17日

1.「8年間も当たらなかったのだから、もうそろそろ恥ずかしい」

一昨日、ゆうちょ財団の「藤巻氏の主張は荒唐無稽か?」との論考へのコメントとして私が「8年も当たっていないから、『フジマキ説は当たっていない』と考えるか『8年間も当たらなかったのだから、もうそろそろ』と考えるか、だ」と書いたら、以下のリツイートが来た。「8年間も当たらなかったのだから、もうそろそろ恥ずかしい」私の回答は以下の通り。ぜーんぜん。事態は全く改善されていませんから。

 

2.「8年間も当たっていないからあの人の説は間違えている」

多くの人から、「8年間も当たっていないからあの人の説は間違えている」という趣旨の反論をいただいているが、なんと幼稚な反論だと感心しています。日本の教育は大丈夫か?と心配にさえなります。論理力、議論の仕方をきちんと教える米国では小学生でも、そんな稚拙な議論をしません。ペケマークがつくからです。私の「ハイパーインフレが来る」という説を否定するなら①日本は未来永劫、景気が良くならない(or金利が上昇しない)②日銀が債務超過になっても外国人がその発行する通貨を信用し続ける」ということを証明しなければなりません。

 

3.「ハイパーインフレの危機が迫っている理由」

「私のハイパーインフレ説を否定するには、2点を証明しなくてはならない」とtwitterに今朝書いたら、すぐ以下の質問が来た。

①日本は景気が良くならないから今は助かっている ②債務超過になっても外国人が円を信用し続けてくれているから今は助かっている と言い換えることができると言うことでしょうか?」私の回答は以下の通り。「①はその通りです。②は違います。今、日銀は債務超過の瀬戸際ですが、現在、債務超過ではありません。ただ、ほんの少し長期金利が上がっただけで債務超過になります。だから危険なのです。コップに水が注がれているとき、もう少しで縁まで一杯になるのと、越してあふれ出る(=債務超過)のとでは大違いです」

 

4.「経済評論家とは、なんとも気楽な商売」

昨日、私のツイターに以下のリツイートが来た。「8年間外れ続けても責任を問われない。 一方、我々零細事業者は、たった一つの失敗すら廃業に繋がります。 経済評論家とは、なんとも気楽な商売です」私の回答は以下の通り。

「2012年に予想してきたこと(財政破綻)がまだ起きていないのは、2013年に黒田日銀が『財政ファイナンス』という禁じ手中の禁じ手で、危機を先延ばしにしてしまったせいです(しかしそれゆえに爆発時の衝撃はよりすさまじくなったでしょう)。たしかに、良識ある金融マンだったら、将来起こる国民の不幸を考えて、絶対にやらないと思うことを、素人集団の意見に抗せず、やってしまったのは意外でした。中央銀行マンはたとえ総裁が暴挙に出ても、身を張って止めるだけの『矜持』を持っていると思っていたのに、そんなものは持ち合わせていなかったのです。確かにそこは読み間違いでした。(終身雇用制のせいで、日銀を離れると自身の生活が成り立たなくなるせいでしょう。終身雇用制が金融政策にも害をもたらしました)性悪説にのっとって考えるべきでした。ちなみに日本財政の危機ゆえに、私はずっとドル資産をお勧めし、リーマンショック直後の2009年初めには、世間が「100年に一度の危機」と騒いでいる時に「100年に1度のチャンスをつかめ!」との本を出版し、米国株の購入を大いにお勧めしていました。あの頃、それに沿って米株(2008年末 NYダウ8,7766ドル。現在35,625ドル)

をお買いになった方は、大いに利益が上がっていると思います。結果オーライだったのでは?もっとも私は急騰する前に、米株を全額売り払ってしまいディラーとしては失格でしたが(苦笑い)

 

5.「危機感は共有できても、藤巻氏の議論に乗るわけにはいかない」

昨日のゆうちょ財団の「藤巻氏の主張は荒唐無稽か?」との論考に関してFB に以下のコメントをいただいた。「気になる部分をコピペ🙇‍♂️『政府が、国政を円滑に運営し行政サービスの水準を維持するためには、予算編成上国債に頼る歳入構造を変えることはできず、借金は今後とも増大し続け、いずれ財政破綻に陥らざるを得ないと示唆すれば、国民の間にパニックが起こることは間違いない。危機感は共有できても、藤巻氏の議論に乗るわけにはいかないというのが現実ではないか。』私も、実はこれが真実だと思っている。