「介護保険の将来は大丈夫か?」「中央銀行の信用とは、通貨の信用とは?」他

2021年08月19日

1.「介護保険の将来は大丈夫か?」

昨日の日経新聞。私は介護保険の将来が心配だが、MMT論者や放漫財政派は、「お金はどんどん刷ればいいのだから、何ら心配ない」と、どうして反論しないのか?都合の悪いところは、口をつぐむのか?ちなみに、介護保険は「充実すれば、するほど少子化につながる」との説もある。昔のように老後を子供に託さなくとも、国が老後の面倒見てくれるからだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA166UU0W1A810C2000000/

2.円安のきっかけ」

先ほど、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。「最近の円安基調ですが、長期金利とかは別として、外国人が、日本のメタメタさに気が付き始めて、長期的なトレンドとして、円に見切りをつけ始めている様な気がします。この点、如何考えていらっしゃいますか?ご意見をお聞かせいただければ幸いです」私の返信は以下の通り。「外資系金融機関が日銀との取引枠を減らし(=日銀当座預金残高枠を縮小)始めたという情報が出たら、為替は円安に飛ぶでしょうね。日銀/日本を見限り始めた証拠となりますから。日銀が債務超過になれば、外資系金融機関の日銀との取引枠減または廃止は間違いないと思います」

 

3、「日銀は簿価会計をしているから大丈夫か?」

昨日、私のFB に以下のメールをいただいた。「素人丸出しですが、日銀は自ら債務の実質的リスケができる立場なのでしょうか。不思議なのは、もし、そうであるならば、債務の概念自体が一般の株式会社の会計基準とは異なった前提で議論すべきなのではと云う素朴な疑問が指摘されないことです」。私の回答は以下の通り。「日銀は、『償却原価法で評価しているから評価損は具現化しません』というのですが、日銀の自己満足にすぎません。日銀がどんな会計基準で決算をしようと、評価する方(外資系金融機関の審査部)は時価会計で取引相手を審査します。相手が民であろうと公であろうと、です。先進国の間では簿価会計など前世紀の遺物にすぎません」

 

4,「中央銀行の信用とは、通貨の信用とは?」

先日、私のtwitterに以下の率リートが来た.「信用という曖昧なものをどのようにして数値化するのだろう?まさか?インフレ率や為替レートと想定していないだろうか?ハイパーインフレになっていないから信用があり、信用があるからハイパーインフレにならない」。私が、中央銀行が信用を失ったら、その国の通貨は「一巻の終わり」といつも書くから、それに対しての質問だろう。

私の回答は以下の通り。「信用を数値化する必要はありません。銀行は、債務超過の会社には金を貸しません。信用がないからです。貴兄も、銀行が債務超過になればお金を引くでしょう。信用しないからです。中央銀行に対する外国人も同じ。日銀が債務超過になれば日銀当座預金口座を閉鎖します。技術的に円は外貨に変更不能になり暴落です」

 

5,「暴漢にこめかみにピストルを突き付けられ絶体絶命のピンチ」

以下のコメントをFBにいただいた。お上手な表現なので紹介いたします。

「15年くらい前から藤巻さんの大ファンです。著作はほとんど全部読んでいます。お考えには、激しく同意いたします。Twitterはしませんので、本日のプロパガンダの「8年間・・・」という記事についてFBでコメントさせていただきます。

日銀債務超過、日本経済崩壊、ハイパーインフレ突入という事象に対してはちょうど、『暴漢にこめかみにピストルを突き付けられ絶体絶命のピンチでいつ引き金が引かれるかわからない状況』に例えられると思います。いつ発生してもおかしくないけれども、逆に言えば引き金(トリガー)を引かれない限り絶体絶命状態が続いているだけで、この状況を人によっては平穏だと考え違いしているのだと思います。

それではトリガーは何かと言えば、米国の金利急騰や海外投資家の日本国債売り浴びせであったりもすると思いますが、例えば雷鳴に驚いたり、指が痙攣して偶発的に引き金が引かれてしまうような、フェイクニュースや日本の政治家の不用意な発言でさえもなりうるでしょう。

藤巻さんのお説が当たっている、外れているかなどは他愛もない議論で、今日起こるか、明日か、1年後か、5年後かの問題だと思います。政治家は首相始め自分の代で過激な対応はしないでしょうが、長引くほどインパクトは大きく後世の負担は増えるばかりだと思います」

 

6.「アフガン問題の感想」

アフガンの専門でも、外交の専門でもないので、以下、取るに足らない個人的感想。友人の外交官から40年ほど前に聞いた話。「レバノンに赴任していた時、コーヒー片手にバルコニーから通りを見降ろしていたら、弾丸が飛んできたので、のぞけてコーヒーを全身に浴びてしまった」とのこと。彼曰く「あの辺の戦争は大体が、麻薬の利権争いだよ」タリバンの資金源が「麻薬販売」との報道は納得できる。

一方、米国はシェールガスのおかげでエネルギーが自給出来るようになり、あの地域への興味が薄れた(テロ問題は別として)ので、撤退するのもわかる気がする。ただ、「イスラムの海賊がキリスト教徒をかっさらい、キリスト教徒は十字軍を派遣しイスラムを攻め立てた」ように1000年単位で激しい宗教戦争を続けてきたイスラム圏VS西欧諸国。日本人の理解を超えた難しさがあるのだろう。塩野七生の本を読んでいるとつくづくそう思う。ちなみにオーストラリアに移住したモルガン時代の部下に聞いたら、オーストラリアの仮想敵国はイスラム圏のインドネシアだという。そういう話を聞くと、我々日本人は、宗教対立のない平和な、いい国に住んでいるな、とつくづく思う。