1.「小判改鋳はMMT理論の実践-そして失敗」「日銀が上場廃止になることはあるのだろうか?」他
MMT理論の元祖、ケルトン教授が言うように、日本は(とんでもないことに)MMT理論の実証実験を行っているが、「その失敗は、(ハイパーインフレの制御不能に陥った)日銀を新中央銀行にとっかえざるをえない」状況に陥って、実証されるだろう(=円紙幣の紙くず化)」と今まで、言ってきたが、時代小説を読んでいて、気が付いた。すでに江戸時代に、その失敗は実証されている。江戸時代、幕府は歳入不足に悩んだ結果、慶長小判から元禄小判に貨幣改鋳を行った。小判に含める金の含有量を減らし、慶長小判2枚を元禄小判3枚に鋳り直した。しかし1両は1両。そこで幕府財政は、何とかなった。しかし、その結果、小判の信用が落ち、物価は5年で倍になった。とが時代小説にあった。当時も、黒田日銀同様、幕府の意思で、小判はいくらでも作れたたわけだ。小判発行権があるからだ。しかし「信用ある貨幣をいくらでも作れるのか」というと、そうではなかったことがわかる。「政府は紙幣をいくらでも刷れるが、信用ある(=勝ちある)紙幣をいくらでも刷れるわけではない」ということ。慶長小判1両を鋳直して100枚の平成小判1両に作り直せば、ハイパーインフレは必至だったろう。
2.「日銀が上場廃止になることはあるのだろうか?」
昨日、私のツイッターに以下の質問をいただいた。「いつも色々ご教示いただきありがとうございます。素朴な疑問です。日銀が上場しているのはなぜなんでしょうか?(否定の意味でなく本当に分からずすいません)。なお、株は買ったことはありません」
私の回答は以下の通り。「正直、私も理由は知りません。ただ邪推ですが、日銀の資本金は1億円。政府が55%で、民間45%ですが、非上場で流動性が無い株のままだと、「日銀は政府55%、誰々さんが45%」と2者の保有となる可能性もあり、それは、中央銀行として、いかにもまずいと考えてのではないでしょうか?それより、日銀はJASDAQに上場していますが(東証1部の上場基準は満たしていません)、私の危惧するように、日銀が債務超過になり、それが継続した時、JASDAQは上場廃止にするのか?それとも規則を変えてでも、上場を維持させるのか?の方が興味があります。JASDAQも頭が痛いところでしょう。どちらにしても、そんなニュースが世界に流れたら、日銀はthe エンド(=円暴落)でしょうね。
3.「ミュンマー弾圧」
アフガンのニュースに押されて、ミャンマーのニュースが隅みに追いやられているが、悲惨なことだ。元商社員でインドシナの情勢に詳しいテニス仲間のSさんによると、ミャンマー人は本来、穏健な民族で、新日家が多いそうだ。ワールドカップ・アジア2次予選のため来日し、帰国を拒んだミャンマー代表のサッカー選手が大阪出入国在留管理局に難民認定を申請したというニュースがあったが、その後どうなったのだろうか?
ミャンマーと聞いて日本人がすぐ思いつくのは「インパール作戦」と「ビルマの竪琴」だろう。「ビルマの竪琴」は小学校の国語の教科書に載っていたから、我々の世代には特になじみが深いかもしれない。私が留学していた1970年代の終わり、ビジネススクールの校舎で金曜日に時々、近隣住民向け映画会が催されていたが、ある時「ビルマの竪琴」が上映された。映像が古く汚く、最初は「これが日本映画」と思われるのは嫌だな、と思ったものだ。ところが終盤になると観客の米国人ほぼ全員がワンワン泣き出したのだ。米国人は「涙は弱さの象徴」とされ、人前では泣「かないものだと思っていたので驚いた。水戸黄門で印籠が出てくるだけで、泣いてしまう私も(注:それを聞いたモルガン時代の部下のウスイ嬢は「支店長って、権力志向なんですね」とぬかしおった)、気兼ねなく大泣き出来た。ミャンマーのニュースを聞くといつもこの映画のことを思い出す。早く平和を!と祈るしかない。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74915110Z10C21A8EAF000/