1.「米長期金利上昇にかけたファンドの出現」
サイオン・アセット・マネジメントが、長期国債の上場投資信託(ETF)のプットオプションを大量に買いこんでいるとの今朝のブルムバーグ記事。これは米国長期債の価格が下落(=長期金利は上昇)すると儲かる商品で、私が、お勧めしているTMV の購入と同じ。普通に考えれば、これが(時価会計を採用している)米国人の考える通常のアクションだ。「テーパリングの開始をすでに織り込んだ」などという論評が散見されるが、それは債券保有者が安心したいためだけのコメント。マーケットが織り込めるのは「ファンダメンタル」の分析だけ。「需要の変化」など事前に市場が織り込めるわけがない。たとえば「大量売り」が予想されるとき、その予想される売却と同量の売りが事前に出てきて価格を形成することなどないのだから。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-23/QY98PDT0AFB401
2.「『総選挙をなるべく遅く行えば、ワクチン接種新党のおかげで新規感染者数減少、自民党は有利になる』のか?」
今朝の6時のNHKニュースで、「総選挙をなるべく遅く行えば、ワクチン接種新党のおかげで新規感染者数減少、自民党は有利になる」との声も、自民党内にはある、と言っていた。しかし、本当かいな?今、米国では、長期金利上昇の勢いが鈍っている。デルタ株による感染再拡大の懸念のせいだろう。もし、日本で感染拡大が収まっているのならば、それは米国もデルタ株の感染を抑え込めているだろう。であれば、米国は再度インフレ懸念。米長期金利は急騰だ。日米長期金利差拡大で、ドル高/円安進行。日本もインフレもしくはスタグフレーション進行。経済ぐしゃぐしゃ。日本の長期金利もつられて上昇すれば日銀倒産の危機。新規感染者増加でも現象でも自民党は不利ではないのか?前門の狼、後門の虎。
3.「ひろゆき氏『日本はアフリカ化、夢がある国に行くべき』」
今朝の日経新聞に載った本日発売の「週刊ダイヤモンド」の宣伝。過激すぎるとは思わない。やっと、雑誌も日本の大きな問題を取り上げるようになったか、と思う。40年間、世界ダントツのビリ成長の結果がこれだ。政治も国民も「格差是正」を「金科玉条」とし、社会主義体制を改めなかった。世界最大の社会主義国家の行末だ。政治が改めなかったから、市場が改めるだろう(私の予想するXデイがそれ )。人はそれを「市場の暴力」と呼ぶだろうが、それは人災。
4.「倍でハイパーインフレか?」
一昨日、SNS に「MMT が『トンデモ理論』なのは、すでに江戸時代の貨幣改鋳で実証済みだ」書いたら、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「倍でハイパーインフレなのか? 苦しい言い訳だなぁ」
私の回答は以下の通り。「読解力のない方ですね。慶長小判2枚を元禄小判3枚にしたら物価2倍。当時ハイパーインフレとは言っていません。今、日銀は日銀当座預金を20年前の100倍にしています。平成小判1枚を令和小判100枚にしたようなもの。だから、少しのショック(=日銀の債務超過)でハイパーインフレ一直線と言っただけです」
5.「元禄時代のインフレ率は?」
更に以下のようなリツイートもいただいた。「この話、聞いたことがありますけどインフレ率はどのぐらいだったのでしょうか?」私の回答は以下の通り。
「時代小説なので真偽のほどは知りませんが、5年で倍とありました。2枚を3枚にしただけですからその程度で済んだのでしょう。しかし言いたかったことは政府はいくらでも紙幣を刷れるけど、同価値のものはいくらでも刷れるわけではないよ」と言ったのです。紙幣いくらでも刷れるとのMMT論者への問題提起でした」
6 [日銀は株式会社か?]
昨日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた、「初めて知りました。日銀は株式会社だったんですね。無知でした」私の返信は以下の通り。「日本銀行の資本金は1億円ですが、発行しているのは株式ではなくの出資証券です。ですから厳密に言うと、会社法の定める株式会社とは少し違います」
7.「ドルも危ないのでは?
昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「ドルは円以上に刷っているので、円だけ、暴落することは無いと思いますが‥どうでしょう? 」「段違いに日銀の方が刷っています。いろいろな説明がありますが、名目GDPが4倍以上ある国(米国)の中央銀行(FRB)と日銀のバランスシート規模がほぼ同じというだけで異常さがわかります。それに日銀は、刷りすぎの結果、ほんの少しで債務超過に陥りそうな危機に面していますがFRB は全くそうではありません」
8.「ハイパーインフレは戦争でしか起こらないか?」
「昨日、私のツイターに以下のリツイートが来た。「ハイパーインフレ殆ど戦争事にしか歴史的に起きてない。藤巻さんの視点は経済学の話。だからずっと外している。ディーラー目線での相場感は正しいから為替の読みは参考にしたらいい」私の回答は以下の通り「私が、国会で何度も質問していたら、『ハイパーインフレは戦争でしか起こらない』と答弁されていた大臣も日銀首脳も『ハイパーインフレは戦争でしか起こらないとは限らない』と答弁を変えました。勉強なさったのでしょう。ハイパーインフレは第1次世界大戦後、第2次世界大戦後、そして1980年代(=各国が兌換制度を辞め、自由に紙幣を刷れるようになってから)の3回、多発しました」
9.「信用とは?」
私が「信用が無くなった時が、日銀と円の危機」と何度も書いているせいか、昨日、私のtwitterに「信用の定義を明確にせよ」と以下のリツイートが来た。「基本的に抽象的なことしか言わないよね。信用って聞いて回ったのかな」
私の回答は以下の通り。「何度説明してもお分かりにならない方ですね。理解力不足。中央銀行が債務超過になれば、その中央銀行の信用は無くなる。信用のない中央銀行が発行する通貨は信用が無くなり、暴落、そのメカニズムも何度も説明済み」
10.「インフレ/デフレは需給要因、ハイパーインフレの原因は中央銀行の信用失墜」
昨日、以下のリツイートが、私のtwitterに来た。「また藤巻師匠の主張が、『インフレ、デフレは貨幣現象』に戻ってる。 インフレ、デフレは需要と供給のギャップ!」私の回答は以下の通り。「戻っていませんし、主張は1ミリも変化していないですよ。ハイパーインフレはモノやサービスの需給関係ではなく主因は通貨の信用失墜。インフレ・デフレは需給関係で起きますが貨幣量が増えても起こります。通貨量の過剰なる増加は中央銀行の信用・通貨の信用失墜を通じてハイパーインフレになります」
11.「マイナス金利はデフレを助長するか?」
昨日、私のツイッターに以下のリツイートが来た。「通貨が100%電子化してマイナス金利が可能になるとデフレがどんどん進みませんか?」私の回答は以下の通り。「伝統的金融政策では景気が悪くデフレなら金利を引き下げます(その効果があることはすでに世界中で実証済です)。私がデフレ脱却のために20数年間主張してきたマイナス金利論(黒田日銀のマイナス金利政策とは180度違います)は、金利を引き下げた着地点が、プラスではなくマイナスなだけで伝統的金融政策そのものです」
再度、以下の質問が来た。「ただ、貯蓄したお金が減っていくとなると、それに連動して物価が下がっていってくれないと困るから、デフレ圧力にはならないのかと?」私の回答は以下の通り「貯蓄したお金が減っていくと困るので、モノに換えたり円をドルに換えたり、株を買ったりするのです。モノに換えれば物価は上昇していきます。着地点がプラスでもマイナスでも同じ」
12「週末」
週末は涼しかったのでテニス。しかし、この1か月、ぎっくり腰で、運動したのはハイキング1日と、先週木曜日のテニス1試合だけだったので、大事をとって、土曜日2試合、昨日は1試合のみ。午後4時半からはLIFUL本社にて、WEB 講演。