.「『大きな政府』の暗部はインフレ」「テーパリングは『量的緩和縮小』、は誤り」他

2021年08月25日

1.「『大きな政府』の暗部はインフレ」

昨日の日経新聞。梶原誠・日経新聞コメンテーター(元論説委員)の記事『5000年来の低金利』にワナ」は必読だ。「『大きな政府』の暗部はインフレだ。現代の米国で最も肥大化したのは政府支出が増え規制が強まった70年代。民間の競争原理が薄れて物価は上がり、石油危機と重なって上昇率が年2桁に及んだ。逆境は79年に米連邦準備理事会(FRB)議長に就任したポール・ボルカー氏が金融引き締めで収束させたが、代償は大きかった。不況で10%の失業率に苦しんだ」――>「税収以上の巨大財政出動」の放漫財政を継続しているとハイパーインフレが訪れるのは歴史の教えでもある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD186CL0Y1A810C2000000/

 2「テーパリングは『量的緩和縮小』、は誤り」

本日朝6時のNHKニュースでもそうだが、ほとんどすべてのマスコミが「テーパリング開始」を「量的緩和縮小」と訳して、解説している。誤りだ。

「量的緩和」が「拡大」しているのか「縮小」しているのかは「中央銀行のバランスシートの規模」で判断される。テーパリングが開始されても、「中央銀行の毎月の購入量」>「その月に満期となる保有債券額」である限り中央銀行のバランスシートは拡大を続ける(=量的緩和の拡大)である。テーパリングがかなり進む(=毎月の購入額が、かなり減る)まで、当面、この状態は継続する。お金は市場に流れ込み続ける(=投資資金は増え続ける)。したがって、株に関してはニュースで売り込まれても、また「買い場を求めた金」で値は戻り、史上最高値を更新し続けるだろう(もっともだからと言って、私は、株式市場には参加しないが)。債券は、需給状況が悪化するのだから、売り込まれる(=長期金利上昇)だろう。その点からしても、27日の「ジャクソンホール」でのパウエル議長の演説は「テーパリング」の「開始時期」には言及したとしても、「量的緩和の縮小時期(=、「中央銀行の毎月の購入量」<「その月に満期となる保有債券額」」となる時期)には言及しないはずだ。

3.「明日 新ニュースサイト『サキシル』でWEB 講演会(19時半~)」

明日(26日(木)19時半から元読売新聞記者、新田さんが立ち上げた新ニュースサイト「サキシル」でweb 講演「コロナ後の経済どうなる?個人の資産どうなる?」を行います。無料です。参加申し込みは以下からお願いします。

https://sakisiru.jp/7691