「ひどい。FRB議長『緩和縮小、年内開始が適当』は誤報といってもいい」。
何度、言ってもわからないのかな~!この日経新聞1面トップは、誤報と言ってもいい。みっともない。パウエルFRB議長はこんなこと言っていない。確かに記事中にあるように「年内の資産購入の縮小が妥当」とは言った。しかし「年内に緩和縮小が妥当」とは言っていない。
私は、年内にテーパリングを始めるものの、日銀のバランスシートは、あいかわらず拡大を継続するのだろうと思っている。何度も注意しているが、「量的緩和」を「継続中」なのか「縮小」しているかは、FRBのバランスシートが「拡大」しているのか「縮小」しているかで決まる。毎月800億ドルの国債購入を減らして600億ドルにしても、その月の保有国債の満期が250億ドルだったら、FRB のバランスシートはその月、350億ドル膨らむ。量的緩和の拡大継続だ。350億ドル分、お金は追加供給される。毎月の国債購入額を200億ドルに減らし、満期が来る保有国債額(例えば250億ドル)より少なくなって、初めて、バランスシートの縮小(=量的緩和の縮小)が始まる。そういうことがわかっているブルムバーグは、昨日のパウエル議長の講演を、「年内に資産購入ペースの減速を開始する」と書き「緩和縮小開始」などとは書かなかった。経済専門のはずの日経新聞は相変わらず、間違えたまま。プロとしてどうか?と思う。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27CW20X20C21A8000000/