1.「『税収のすべてが、過去のしりぬぐいと再分配で消える』国が持続可能か?」
来年度の概算要求額は国債費で30.2兆円 厚労省が33.9兆円だそうだ。
2021年度の税収予想額は57.6兆円、税外収入が5.5兆円。厚労省の支払いの大半が社会保障費だろうが、社会保障費とは財政学的にいうと、「所得の再分配」。税収のすべてが「過去の国債発行の尻ぬぐいと再分配で消えてしまう国」を「持続可能だ」と思う神経が私には信じられない。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75328400R00C21A9EA1000/
2,「韓国国防予算が日本に並ぶ 23年にも逆転」
これも、ある意味ショックなニュース。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM30CGL0Q1A830C2000000/
3.「パウエル議長はインフレが手に負えなくなるリスクを抱えている」
昨日のブルムバーグニュース。-元リッチモンド連銀総裁は「パウエル議長はインフレが手に負えなくなるリスクを抱えている」と指摘したそうだ。全く持ってその通りだと思う。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-08-30/QYNSJST0AFB801?srnd=cojp-v2
4.「(多事奏論)アベノミクス錬金術 財政健全化、語らぬ無責任」
本日の朝日新聞の原真人記者の「(多事奏論)アベノミクス錬金術 財政健全化、語らぬ無責任」は必読
https://www.asahi.com/articles/DA3S15028561.html?iref=pc_rensai_opinion_chumoku
5,「今後のドルの動向」
一昨日、私のtwitterに以下のリツイートがあった。「米軍アフガン撤退で始まるドルの崩壊 まもなく金融に激震が走る」と松島修という人が言っていますが、今週中にドルも日本円もクラッシュする可能性を、藤巻さんは何%くらいだと思われますか」私の回答は以下の通り。「為替は相対的なものですので、コインの表と裏が同時に出ることが無いのと同じで、ドル/円でドルと円が同時に暴落するということはありえません。どちらがより弱くなるかで『ドル/円』は決まります。ドルがクラッシュすれば、円はお仕舞で、超クラッシュでしょうからドル円は上昇だと思います」
これに関し、他の方から、さらにリツイートをいただいた。「USDがクラッシュ→JPYお終いとはどんな論理ですか? なお、松島修さんの『激震』とは、実際には『多少大きな調整』程度のことを指しているように思いました。ならば、ある程度の円高に向かう可能性はあると思います」
私の回答は以下の通り。「米国ではドルがクラッシュするのではないか?という議論がかなり前からありました。私が寄稿しているThe international Economyでも取り上げていました。しかしそれは、「米国の財政が危機的状況だから」という理由です。財政破綻が為替のメインテーマになるのなら、日本円は激クラッシュです、という意味です」
返事が来た。「ご教示ありがとうございます。 そういう意味なら松島修さんの言う『クラッシュ』とは別の話だと思います。 この方は主に地政学的な変化が直近のクラッシュのトリガーになり得ると主張しているようです。私自身はその見解に懐疑的です。 ただし中長期と短期を敢えて混同してみせる思惑相場はあるかも?」
私の回答は以下の通り「地政学的な意味で言うのなら、9.11のように米国内で大規模なテロが起きない限り、ドルに対してのマイナスの影響はないでしょう。「近くの戦争は売り、遠くの戦争は買い」の株式市場の格言が、(あまりいい格言だとは思いませんが)当たっていると思います。米国がアフガンから撤退すれば、巨額の軍事費が浮き、米財政にはプラスです。また中東が不安定になれば原油が値上がりします。シェール革命のおかげで世界1のエネルギー産出国になった米国の地位は、相対的には強くなります。そうなるとドルにとってはプラスです」
6.「ビッグマック指数で考えると現状の円は高すぎるのではないか?」
一昨日、私のFB に、敬愛する某論者からメールがあった。「ビッグマック指数では70円ぐらい。すでに暴落しています」私の回答は以下のとおり。「ビッグマック指数は私は信用していません。円が強すぎるから、肉や小麦粉が安く輸入出来て、日本ではビッグマックを安く売ることが出来るんだと思っています。つまり、卵と鶏の問題」。これに対して、池田信夫先生から「それ暴騰じゃないですか」とのご指摘があった。私の回答は以下の通り「**さんがおっしゃりたいことは『ビックマック指数で言えば今、70円が適正価格のはずだから、現在のドル/円の1Ⅰ0円は、すでに暴落水準だとおっしゃりたいのだと思います』
池田信夫先生はこれに対し、以下の質問をくださった。「購買力平価だと、こんなに高いんですね。金利平価だと120円ぐらい、ISバランスだと150円ぐらいだと思いますが、相場は何を見てるんですかね」私の回答は以下の通り。「こういうのは、学者の先生が、為替の動きを後付けで説明しようと使う道具であって、ディーラーは、 このような数字は見向きもしていません。一番気にしているのは、金利差と、貿易収支だと思います(投資のリターン等は、海外にドルのまで残るケースが多いので、貿易収支ほどには影響なしと理解しています)、もっとも、私は、日本の外国為替市場は(会計や人事評価の問題ー投資は損しないことが一番重要で、最大利益を追いかけないー等の構造問題があり、efficientなマーケットではないので、ファンだメンタル図を反映しない市場だと思っています。私が国力に比べて円高だと確信する理由は「日本が40年間世界最大のビリ成長だった」と事実からです。為替は値段そのものですから、円が強かったせいで、労働力、モノ、サービス、どれをとっても世界との競争に負けたのです。労働力で言えば、円高で労働需要は海外に行き(=空洞化)、日本人は需給の関係で給料など上がるわけがなかったのです)