「バランスシートの拡大した日銀で、円の信用は保たれるのか?」「櫻川教授の思いつく唯一の日銀出口策」他

2021年09月09日

1.「黒田総裁には任期満了という出口があるが日銀に出口はあるのか?」

「日銀緩和頼み、空転20年」本日の日経新聞1面トップ記事。読んでみて、改めて、黒田氏には任期満了という出口があるが、日銀には出口は無いと思った。日銀は(デフレという)ジリ貧を避けようとしてドカ貧(日銀倒産・円紙くず化)に陥りそう。デフレ脱却には私が20年来、主張していたように、あくまでも伝統的金融政策(=景気が悪化した羅金利を下げる)に頼るべきだった。すなわち真仁洙金利政策。ただし私の主張するマイナス金利政策は、黒田日銀のマイナス金利政策とは180度異なる。過去ハイパーインフレを起こしたと世界中で禁じ手の禁じ手である非伝統的金融政策(=異次元緩和=財政ファイナンス)に手を出した当然の報い。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB018R10R00C21A9000000/

 

2.「バランスシートの拡大した日銀で、円の信用は保たれるのか?」

黒田日銀総裁のインタビューを聞いた日経新聞・河浪武史金融グループ長 のコメント時間の空費 許されずの中の一文が適切。「バランスシートが膨張した今の日銀は、最後まで確実に円の信認をつなぎ留められるだろうか」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75583150Y1A900C2EE9000/

 

3.「資産規模の拡大は、中央銀行の信用失墜と機能不全の予兆」

本日の日経新聞の「経済教室」は櫻川慶応大教授の論考。櫻川教授いわく「日銀は経済がデフレに戻るのを恐れて撤退のタイミングを失い、政策はずるずると長期化して今日に至る。量的緩和は今や、財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)の道具と化し、肥大化する財政の受け皿となった。資産規模の拡大は、中央銀行の信用失墜と機能不全の予兆と受け止められつつある」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD319FJ0R30C21A8000000/

 

4.「櫻川教授の思いつく唯一の日銀出口策」

本日の日経新聞「経済教室」を書かれた櫻川慶応大教授の思いつく「唯一の日銀出口策」が、「日銀保有の国債を海外政府に売りつけること」のようだが、日銀保有の国債は約540兆円もある。どの中央銀行が買うのか?

今後、円は、調達通貨としての魅力は増していくだろうが、運用通貨としての魅力は、ますます無くなっていくからだ。(欧米中央銀行は金利上げ。日銀は低金利のままなら円安進行。低い金利で、満期に円安が進んでいれば、借り手としてこんなにおいしい話は無い)

櫻川先生ほどの先生でも、これくらいしか出口を見いだせない。私の言うように、日本は「中央銀行のとっかえ」しか出口が無い。円は紙くず化。

 

5.「日本に必要なのは「『分配だけでなく成長にも目配りする方針』」

本日の日経新聞1面トップ記事「日銀緩和頼み、空転20年」の中の一文。「経済協力開発機構(OECD)によると、過去20年間で米国の名目平均年収は約8割、ドイツやフランスは約5割増えたが、日本は逆に5%減少した」。20年間でも日本は世界断トツのビリ成長なのだから平均年収が上がらないのは当たり前。それなのに『成長だけでなく分配にも目配りする方針』を政策に上げる総裁候補がいるのだから嫌になる。日本に必要なのは成長!他国は「富裕層に富が集中して格差が拡大した」のに、日本は「中間層が没落して格差が拡大した」とは学者では常識。大金持ちなど日本にはどいない。いるのは小金持ちだけ。小金持ちを引きずり下ろしても成長は減速するだけ。日本に必要なのは「『分配だけでなく成長にも目配りする方針』だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB018R10R00C21A9000000/

 

6.「まずは『雇用保険上げ』」

昨日も書いたが、「雇用調整助成金」の財源確保に「雇用保険料」が値上がりするそうだ。まずは「雇用保険料の値上がり」と、「まずは」をつけていただければ、政府への痛烈な皮肉になったのだが。値上げは諸々続く。平時に財源を考えずにばらまいたツケだ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75580050Y1A900C2EP0000/