1「池尾和人慶応名誉教授の警告(日銀に出口の妙案はない『シートベルトを強く締めてください』)」
今年2月に慶応大学名誉教授の池尾和人教授が亡くなられた。池尾先生は金融学者としては、よくお分かりになっていらっしゃる方だった。朝日新聞東京本社特別報道部の藤田さんが1018年10月に書かれたご自身の本「日銀バブルが日本を蝕む」(文春新書)を昔送ってくださったのだが、読み返していたら、p231に以下の文章があった。「幾度か取材した中で、こうした警鐘を鳴らしていたのは、黒田日銀の金融政策に一貫して異を唱えてきた慶応大学教授(18年4月から立正大学教授)の池田和人だ。18年3月末、池尾に『何か打開策はあるでしょうか』と聞くと、こんなひと言が返ってきた。『妙案みたいなものは、もう簡単には見つかりません。『シートベルトを強く締めてください』と呼びかけたほうがいいかもしれませんね』」
まさに、私と全く同じ考え。金融に知識があればあるほど日銀に出口がないことがわかる。『シートベルトを強く締めてください』は、私がもう何年にも渡って言い続けてきたことだ(苦笑い)、締めすぎたおかげで、もうおなかが痛くなってしまったかもしれないが、「日銀に出口がないこと」は池尾先生も同意されているようだ。金利が上昇してきたら日銀はThe end。幸か不幸か、日本は低迷経済が續き、日銀が債務超過にならなかったからこそ生き延びてきた。
2.「アジアに円経済圏を作りうるか?」
池尾和人先生は、私が金融庁審議会の専門分野を仰せつかっていた時(2007年3月-2011年1月)の座長だった。委員には、今の三菱UFJ の総帥平野さん等がいらして、かなりの豪華メンバ―だったと思う。もっとも毎回会議に参加さえれていた時の副大臣が「委員にはとびぬけてユニークな人がいる 」とブログに書かれていたが、これは明らかに私だろう。もうひとり女性のFさんがいたが、彼女はいたって常識的な人だったから。外資での経験から、言いたいことはすべて言っていたからだろう。しがらみも無いし。「日本市場を世界有数の市場に戻すには?」という議論だった。私は「こんな経済力では、戻るのは無理だ。日本が昔のような経済大国に戻れば東京市場におのずと存在感が出る。東京市場の整備は、その時が来た時の準備に過ぎない。経済復活が第1」だったからだ。市場を整備すれば世界で存在感が出るという会の大筋に反対だったのだ。
ちなみに、「円をアジア地域の共通通貨にして円経済圏の成立を」の議論にも大反対だった。ユーロの問題と同じで、円を共通通貨にするには、アジアを一つの国にするか財政を一つにしなければならない。そうでなければ地域固定相場制など早々に破綻する。こんなに経済格差のあるアジアの国々が財政を一つに出来るわけがないだろう!という主張だった。もっとも、最近は日本の経済力がどんどん落ちていき、他国との格差が無くなってきたから、財政を一つにするのも可能かもしれない(皮肉)
3.「時代小説に学ぶ」
朝、ヨーグルトと紅茶にはちみつを入れて飲んでいるが、夏にこぼれたはちみつに蟻が群がり台所中が蟻だらけになった。冷蔵庫にしまうことにしたら、凍って、容器をさかさまにしても出てこず難儀。司馬遼太郎の「『覇王の家』 」を読んでいて、ハタと気がついた。豊臣秀吉の備中高松城水攻めに習おう。戦略は成功し、家内に褒められた。うれしい。人生で初めてかも。(写真は水の中のボトル)
4.「レモン、今年は1個」
広島のレモンの島から買ってきたレモンの木を昨年、植え替えた。元気が無く、だめかと思ったら生命力強い。1個だけだが大きなレモンが実った。来年後は沢山の実がなってくれるだろう。それはX デイ後の日本と同じ(Xデイを機に真の資本主義国家に生まれ変われれば、の話だが)