1.「ABEMAプライム出演」
昨晩、ABEMA プライムに出演した。以下はABEMA プライムの公式ページ。今日から6日間は視聴可能だそうだ。
JPモルガン時代、部下のウスイ嬢に「支店長、自分が時々小学生だと思うことありませんか?」と聞かれたことがある(ただし、ディーリング内での話。普段はジェントルマンだったと自負している)」どうも相変わらずディーリングルームの中とTVの前ではアドレナリンが出まくりすぎてしまうようだ。70歳を超えたんだから、もう枯れなくては、とは思うのだが。ただ、ビデオで見ると、スタジオが話しかけても、興奮して話を辞めていないように見えるが、それは違う。音声の時差の関係で、話がダブってしまうのだ。スタジオが何か話し始めたら瞬時に話を止めている。誤解なきように。昨日の出演に関して、家内からは頭が回っていなかった!の一言。「昔は頭の回転に、口がついていけなかったが、今は口に頭の回転がついていってない」そうだ。がっくり。
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2,「なぜ私は狼爺さんだったか?」(パックンの質問)
スタジオのパックンは「前にお会いしましたね」と呼び掛けてくださった、我が家に来てくださったことを覚えていてくださったようだ。私の意見はずっとモニターしてくださっていたそうで、以下の質問を受けた。「ずっと昔から、藤巻さんは、日本の財政は危ない」とおっやっているのに、いまだ、当たらないのは何故ですか?私の回答は以下の通り(注:放送ではしゃべる時間がなかったことも補足してあります)「私は2014年とか15年くらいまでには、財政破綻が起こると思っていた。ところが2013年4月に黒田日銀が、破綻先送り策を始めてしまった。『足りない分はお金を刷ればいい』との禁じ手中の禁じ手政策だ。矜持ある中央銀行マンが『国民が将来,大不幸になるとわかっている』政策を受け入れるなどとは思ってもみなかった(白川総裁はそれがわかっていたから反対して、退任を余儀なくされた)。足りなければお金を刷るのだから、財政破綻をしないのは当たり前。しかしそれが可能なら無税国家が成立してしまう。危機先送りだから破裂した時の衝撃は、よりすさまじくなった。自国通貨だから紙幣はいくらでも刷れる。しかし信用ある紙幣はいつまでも刷れないという問題。一連のオペレーションの結果、日銀の歯世界一のメタボ(=健康体の戻すのが不可能)、財務は極めて脆弱になってしまった。債務超過(=中央銀行の信用の失墜)―>円の信用失墜の危機がマジかに迫っている。
3.パックンとの共演1回目「英語でしゃべらナイト」
パックンは財政の危機を良く理解しており、私の考えも熟知したうえで、いくつか質問してくださったと思った。視聴者の理解のため、また森永さんへの気配りだと理解している。
パックンのレギュラー番組だったNHK「英語でしゃべらナイト」に2回ほど呼んでいただいたことがある(ただし、私の出演回の時だけはNHKも「英語でしゃべらナイト」ではないく「英語でしゃべ“れ”ナイト」と番組名を変更するべきだった。1回目はスタジオ収録。ディレクターの方から「最初にパックンが英語で2言、3言、英語で話しかけます。その応答を聞いて、もしこの方は英語が出来るな、と思ったら、その後も30分間英語で通しますからよろしく」と言われて本番が始まった。パックンに英語で二言、三言聞かれ、英語で答えた。そしたら、その後、番組はずっと日本語での進行となった。
(下の表紙の写真は私とパックン。やっぱり身長も足の長さも違う(泣き)
4.パックンとの共演2回目「英語でしゃべ“レ”ナイト」
「英語でしゃべれナイト」で共演をさせていただいた約1年後、再びNHKから出演依頼のオファーがあった。普通の人は1回目で凝りて受けないと思うのだが、私は性懲りもなく受けた。今回は我が家での撮影で、ずっと英語だった。途中で家内がアシスタント・ディレクターの若い女性に聞いた。「昨年、主人の英語の下手さはあきれたでしょうに、なぜもう一回出演依頼が来たんですか?」アシスタントディレクター嬢曰く「藤巻さんは、インターナショナルの世界で成功された方です、その人の英語がこの程度だとわかると、それでも通用するんだと思って視聴者のやる気が出るんです」、あちゃ~!!!
」
5.「森永さんの事実誤認に対して」
森永さんの議論は、申し訳ないが事実誤認の上に立っている。人格攻撃とかは、まずいが、事実誤認は指摘しておかないとこれまたまずいので、いくつかは指摘しておきたい。
①森永さんの主張「日銀は株式ではなく出資証券を発行している。だから日銀が債務超過になろうと経営はびくともしない」
指摘「前半部分で何をおっしゃっているのかわからないが、債務超過になって困るのは別に株主だけでなく債権者もおおいに困る。最大の債権者は民間金融機関(日銀当座預金にお金を巨額に積んでいる)。日銀当座預金の価値が無くなれば、その銀行に資金を預けている国民の預金もパーだ。外資は日銀当座預金を閉鎖する。経営の危機だ」
②森永さんの主張「日銀が買い取るとその途端に国の借金がその分無くなるから問題はない」
指摘「都合の良いところだけ、相殺してはいけない。リタイアした私が3000万円で家を買うときに、お金が無いからと大学生の息子から3000万円借りたとする。親子間の対策だから相殺だ、と言っても、その3000万円を息子から高利貸から借りていれば問題ではないのか?今の日銀はこの息子と同じ立場。日銀は、日銀当座預金(=民間銀行からの借金)に民間銀行からも預金を受け入れて国債を買っている。民間銀行への元本返済も利子支払いも必要だ(特に利上げの時)。自宅は収益を生まない。これで問題がないというのか?政府と日銀を親子と考えるのは統合政府論だが、それだと政府の借金が国債という長期固定金利の借金から日銀当座座預金という変動金利の借金に変わるに過ぎない。国の借金が無くなったわけではない。かえって金利上昇期には極めて脆弱の体質になっていて恐怖する」
6「森永説と藤巻説を信じる専門家の割合はどのくらいか?」
パックンが「「森永説と藤巻説を信じる専門家の割合はどのくらいか?」と質問した。森永さんは「学者の意見は森永説が60%、40%が藤巻説。ただテレビに出ているのは藤巻説の人が90%。なぜならば財務省に逆らったことを言うと干されるから藤巻説の人しかテレビに出られない」だそうだ。これには笑った。
私は「専門家は100%が私の意見。破綻がいつ来るかの時間の差はある」と答えたら、EXIT(りんたろー・兼近大樹)さんに「チャラオとしては100%という人の言うことは信じないことにしているんです」と言われた。これには参った。1本やられた。森永説に笑ったが、今度は笑われてしまった。
しかし、現実問題として、MMT(毎日新聞元論説委員の福本女史に言わせると「未(M)来はもっと(M)大変だ(T)」理論などはすでに日本のネット界隈にだけ残る絶滅危惧理論だ。金融業界や学問の世界で専門家と認められている人で、森永説を唱える人がいたら教えて欲しい。主張しているのは、金融の学問もしたことが無ければ(建築学を勉強された方等はいるようだが)、金融実務にも携わったことのない素人ばかりだ。ネットでもっともらしく意見を吐いているだけの人を専門家とは業界では呼ばない。たしかに米国の経済界には左派系経済学者の中にMMT を説く人はまだ何人かは残っている。だから私が100%と言ったのは間違いだった。今、米国では国債発行額が上限に達し、国債発行が止まっている。上限枠を早々引き上げないと10月には資金枯渇が懸念されているが、もし米国に多くのMMT 論者が残っているのなら、今頃、上限撤廃の大合唱のはずだ。たしかに日銀をはじめ、他の中央銀行がMMT を実践しているのは事実だ。しかし、どの国の中央銀行も政府もMMTを実践しているとは認めない。認めたら最後、とんでもない非難が学会その他から押し寄せるからだ。