1.「立憲民主党は社会主義政党?」
立憲民主党が公約の一つとして「年収1千万円程度以下の世帯は税金免除する」を掲げるそうだ。そんなこと言っているから政権が取れない。絵物語もハナハダしい。票集めのポピュリズム政治の最たるものだ。
日本国民1億2500万人のうち所得税(総合課税)を払って“いない”人は7600万人、所得税を払ってはいても、5%までの人は2900万人、1億500万人は所得税を払っていないか、または払っていても5%以下しか払っていない。
一方、限界税率33%(+10%の住民税)を支払っている人は、1億2500万人のうちたったの50万人、全人口の0.4%だ。
所得税が900万円までは無税で、900万円超えると43%(住民税も合わせて)を取られるなら日本人は誰一人働かない。大リーガーも、技術者も、研究者もやる気のある人達は、皆、海外に逃げる。
なお、限界税率33%(+10%の住民税)とは所得金額900万円。給与所得控除等の控除があるから、収入は1000万円くらいか?小金持ちでも何でもない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA241CO0U1A920C2000000/
2.「立憲民主党よ、よくも、そこまで無責任なことを言えるな~」
立憲民主党が公約の一つとして「年収1千万円程度以下の世帯は税金免除する」を掲げるそうだ。言うに事欠いて、よくもそこまで無責任ことを言えるものだと感心する。
国の税収は、ごく大雑把に言って、所得税20兆円、消費税20兆円、法人税10兆円、だ。
所得税の大部分は限界税率5%、10%のところが生み出している。「年収1千万円程度以下の世帯は税金免除する」とは、所得税収をほぼ無くすと言っているのに等しい。(私のラフな計算だと3~5兆円くらいは残るかもしれない)
立憲民主党は、時限的に消費税5%に引き下げるとも言っている。そうすると、消費税収は半分だから10兆円に。
今の「所得税20兆円、消費税20兆円、法人税10兆円+その他5兆円」の計55兆円が、「所得税5兆円、消費税10兆円、法人税10兆円 +その他税収5兆円」の計30兆円への減収だ。歳出は110兆円。歳出の75%近くを借金に頼る国なぞ、どの外国が信用する?
そんな政府が出来たとたん、日本市場は大崩れ。生活保護費も払えなくなる。日本人全員が生活保護世帯となるだろうからだ。減税していただかなくても国民全員が所得税の最低限度額に達せず、納税義務は無くなる。
3.「消費税減税が景気下押しの原因ではない」
数日前、日銀はインフレを抑える手段を失っていると書いたら、私のtwitterに1997年4月と2014年4月の消費税増税の際、「いかに実質家計消費の落ち込みが激しかったか」を示すグラフと共に、「インフレになったら消費増税をすればいい」と書いてきた人がいる。MMT 論に毒されているのだろう。この人のリツイートは以下の通り。「消費税増税ですね。消費税増税するとデフレになる事が、実際に証明できてるので。インフレ率が4%くらいまでは増税しなくていいと思うけど」私の回答は以下のとおり。
「無理ですね。インフレが進行し日銀が債務超過になったとき、石ころになった円の信用を回復するためには、政府の税収による日銀への資本投入しか手はありませんが、税収で予算の赤字を埋めた後に、日銀に資本金を投入するためには明日から消費税を40~50%くらいにしなければなりません。それにもう一点、消費税導入で景気が悪くなっているというのも、消費税上げ反対用に政治的プロパガンダに使われていただけの気がします。1997年、日本は確かに景気が悪かったですが、あれはアジア通貨危機のせいであり、北拓、山一、三洋証券等がつぶれたせいで、消費税上げのせいではありません。彼らは消費税上げでつぶれたわけでもありません。なにせ私は、当時、JPモルガン一の最大リスクテーカーとしてヘッジファンドのオーナたちと議論しながら勝負をしていましたが、皆の興味は、日本経済の浮沈を予想する際、アジア通貨危機、金融機関の連鎖倒産やロシア危機(1998年ですが)等で、日本の消費税増税がどうのこうの、などという話など、誰もしていませんでしたから。日本の消費税は世界的にも最低水準でしたし。消費税上げで景気が落ちるのなら20%の欧州は今頃、地獄です。