「米長期金利上昇中(危険)」「国家財政を心配する政党がない状況」他

2021年10月22日

1.「米長期金利上昇中(危険)」

米長期金利は今年春に1.7%を付けた後。1.3%まで下落(日本勢を中心の買いのせいともいわれている)していた米長期金利が再度上昇を継続している。再度1.7%をうかがう動きだ。昨晩は一瞬、1.7%を付けた。今、私が一番注目しているのは米長期金利だと何度も書いてきた。X デイを引き起こす契機として最も強烈だからだ。日米金利差拡大―>円安―>日本でもインフレ進行―>日銀は金融引き締め不能なことが世界に露見(引き締めを行うと債務超過で日銀破綻となってしまう)―>外国勢の円の売り浴びせ&日銀当座預金からの撤退―>ハイパーインフレへ一直線。日本に取っての危険な兆候。

 

2・「日銀は債務超過になる可能性があるか?」

以下のリツイートが私のtwitterに来た。「『日銀が債務超過になった時に』って、極めて不確実な前提です。 100人に1人や2人は記述された考えをするかとしれませんが、マイノリティです」

私の回答は以下の通り。

「そんなに不確実な前提ですか?そうすると黒田日銀総裁は100人の中の1人か2人のマイナリティーの意見をお持ちなのですね。私の国会での度重なる質問に対して黒田日銀総裁は最後には『日銀は一時的には債務超過になりうる』と渋々認めました。なぜ『一時的で終わるのか?』とさらに聞いたら、モジョモジョで答えられませんでしたけど」

 

3.「国家財政を心配する政党がない状況」

昨日の日経新聞夕刊の「十字路」、キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹の山下一仁氏の論考だ。「行政官の意見を封じるのは、国民にとって不幸である。国家財政を心配する政党がない状況では、我々は金庫番である財務次官の心配を傾聴しなければならない」まさにその通り。国家財政を心配する政党がないのは国の不幸。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1918E0Z11C21A0000000/

 

4.「国家財政を心配するのは与党の責任

先に書いたキヤノングローバル戦略研究所の山下氏の論考に一つだけコメントを付け加えたい。「どの党も国家財政を心配していない」とあるが、あえて言えば、(自民党以外の党は)いたしかたない面がある。巨額借金が溜まってしまったのは「バラマキを含めた積極財政+少ない税金」を長年続けてきた与党の政策の結果である。すなわち議席獲得のためのポピュリズム政治の結果だ。バラマキを含めた積極財政をしたかったなら高い税金を国民に課さねばならなかったし、逆に税金を低くしたければバラマキをしてはいけなかった。ばらまく一方、税金は低く抑えるという「いいとこどり政策」のツケを今、日本は払うことになりつつある。この事態を作ってしまった与党が責任もってこの危機を回避しなくてはならない。「大増税で解消するのか、借金踏み倒し(=ハイパーインフレ)で解消するのか」を与党が責任をもって国民に問い実行する必要がある。野党が、この危機的状態を作った(≒議席を獲得した)与党の代わりに「尻ぬぐい策」を提示して、議席を失うのはごめん被る、と思っても、致しかない。何はともあれ、この状態を作った与党が、きちんと危機回避に邁進しなければ無責任だと私は思う。

 

5.「今晩(金)「BS-TBSのニュース番組『報道1930』出演」

今晩(22日(金)BS-TBSのニュース番組「報道1930」に出演します。

19時30分~21時です。仮題は「新型コロナ後の出口戦略で取り残される日本」

ゲストは森永卓郎さん、パックン、そして私です。

時間が十分あるのでじっくり議論で