1,「矢野財務省財務次官の指摘はあまりに図星」
朝日新聞原真人編集委員の論座記事。27日早朝まで無料で読めるので、ぜひご一読を。矢野財務省財務官論文について詳しく分析されている。MMT 論への批判も鋭い、
「米国で主流派経済学者たちから徹底的に批判され、学説として認知されてもいないMMTがなぜ日本の政治家たちに勢力を広げていったのだろうか。いわば『財政に打ち出の小槌はある』と言っているに等しいMMTは、財政出動を望み、かつ負担増に消極的な政治家たちにとって最も安易に、最も都合よく利用できる考え方だからだ」
「MMT論者らは、政府と日本銀行との『統合政府』で考えると、日銀が買い上げている国債(現在は約540兆円)は政府の借金にはならないと主張する。だが、それで借金が魔法のように消え去るわけではない。日銀が民間銀行から借りている『当座預金』の借金は残る。つまり政府 の破綻リスクを日銀に移転しているだけのことなのである。日銀が国債を買い上げすぎて財務内容が悪化し、債務超過にでもなるようなことがあれば、市場からは実質破綻状態だとみなされる。そうなればこんどは円の価値が急落する恐れが出てくる。そのとき日銀の債務超過を解消するには、政府が日銀に資本支援するしかない。ところが、そもそも日銀の国債買い上げで財政資金をまかなっていた政府にそのような財源を市場調達できるだけの力はない。結局、大増税で国民から召し上げるほかないのだ」
「巨額の国債を抱えた日銀のバランスシート(財務内容)は著しく悪化するので、さらに円下落に拍車がかかるだろう。こうしたスパイラル(らせん状)危機の行方を正確に予測することは難しいが、政府・日銀が政策運営がコントロール不能となって、パニック状態に陥る恐れがあることだけは確かだ」
https://webronza.asahi.com/business/articles/2021102200002.html
2.「財政赤字を3000兆円まで増やせるのか?」
金曜日に出演したBBS-TBSの『報道1930』の番組中、森永さんが「国債は3000兆円まで発行して大丈夫だ」とおっしゃったことに関して、ある識者の方が「森永さん、3000兆円まで大丈夫だって言ってましたが、どういう計算ですかね」と、当然無理だろうという批判のニュアンスで、聞いてこられた、
私の回答は以下の通り。「3000兆円は(日本の)GDPの5.5倍。米国のGDPは確か2400兆円くらいで現在の借金総額が2700兆円くらい(すみません、記憶ベースなので誤差があるかもしれませんが、議論の大筋に関係ないのでご勘弁を)。米国でGDPの5.5倍だと、1京500兆円くらい。2700兆円くらいの借金総額で、何を国債発行上限枠でガタガタやっているんだ。そんなみみっちいころ言わないで2京円くらいまで上限枠上げてしまえ、という話ですよね。米国で祖いれ言ったら、笑われてお仕舞でしょうね」