1.「日本人の給料を上げるには“チェンジ”が必要?」
昨日の朝の7時NHK ニュースで「なぜ給料が上がらないのか?」「給料を3割上げようと努力している企業がある」との特集をしていた。30年間で日本のGDPは全く拡大していない。経済全体が拡大していないのだから一人あたりの給料も増えるわけがない。この状態で給料を上げれば他の人の給料は下がらざるを得ない。企業も同じで、企業が儲からねば給料など上がるわけはない。昔のように労働分配率の問題ではない。最低賃金を大きく上げれば、企業は海外へ逃げ、日本人の代わりに外国人を雇うだけだ。勤労者が戦っているのは昔のように対経営者ではない。外国人勤労者との仕事の奪い合いだ。日本人の生活を豊か鵜にするのは分配ではない。経済の拡大だ。経済システムのチェンジだ。
2.「日本社会にも日本経済にも、日本政治にもチェンジが必要」
71歳の私はまだ自分の専門分野(金融)で、若者に負けるつもりはない。ただし、それは経験・知識を生かしたアドバイス・評論の面であり、ガッツ、決断力、逆境に耐える忍耐力、体力のいるディーラーとしての実務能力の分野の話ではない。だからもうディーラーとして前線に立つつもりはない。
ましてや専門分野以外では完璧に若者に引けを取っていると実感する。ところが日本の企業の経営者には相変わらず高齢者が多い、それも米国と違って、スペシャリストはなくジェネラリストの高齢経営者だ。これでは米国企業に勝てるわけがない。政治も同じ。停滞する社会、停滞する経済には若い力が必要。閉塞感を打破する力は、我々高齢者にはない。オバマ大統領ではないが日本社会にも日本経済にも日本政治にも「チェンジ」が必要
3「米国社会は若い。それが躍進の源泉」
JPモルガン勤務時代、米国人同僚が「我々のpresidents(複数形)は46歳だ。これが活力の源泉だ!!」と自慢していたことを思い出す。一人目のpresidentはクリントン大統領。2番目のpresidentはサンディー・ワーナーJPモルガン社長(注:米国では社長のことをpresidentという)サマーズ氏(後の)ハーバード大学学長が財務長官になったのも40代。米国企業で働き、生活してみると若さが米国の力の源泉であることがよくわかる。米国社会は躍動している。チャレンジ精神がある。それなのにオバマ大統領のチェンジでさらに前進していく。日本も真似しなくてはいけない。
4.「他に類を見ない問題をどのように克服?」
以下、本日の日経新聞「大樹小機」内の文。「財政赤字の累積はコロナ禍で未曾有のレベルにまで膨れ上がってしまった。世界的に物価が上昇するなか、他に類を見ない問題をどのように克服していくのか」。まさにその通り。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77041770X21C21A0EN8000/
5,インフレ加速時に適した製品は
本日の日経新聞記事。インフレを警戒した商品を買う機関投資家が増えているそうだ。そんなときに、インフレで減価する米長期国債を買う投資家は何を考えているのだろう?今日のほんの少しだけ高い利回りに目がくらんでいるのか?それとも人より先に売り逃げられると思っているのか?いずれにしろ少しすると大きな後悔をすることになると私は思う。ドル資産を買うのなら、利回りは低くてもドルMMFがいいし、より大きく利益を習いたいのなら、TMV(債券ベアファンド:金利が上昇すると利益が上がるファンド)がよい。もちろんこの日経新聞に書かれている商品群も長期固定金利債よほどによい。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77039830X21C21A0ENG000/
6.「天然ガスの液化にコストがかかることは米国経済を相対的にさらに強くする」
本日の日経新聞記事。この記事はガスを輸出のために液化する米国内の設備の能力が限界に近づいたため輸出不能で、米国と欧州、アジア間の価格差が広がっているとの分析記事だが、この記事を読んで、私はまたまた米国に強さが加わったととらえた。いつも角が米国はITとエネルギーという今後の二大資源を抑えている。だから強い。それにこの記事に書いているように天然ガス(シェールガス)は輸出するために液化し、輸出して消費国で再度ガスに戻す。このため原油は生産国(輸出国)と消費国(輸入国)の値段がそう変わらないのに対し、天然ガスの値段は大きく違うのだ。この点は天然ガスの産出国、米国の経済を他国と比べて(輸入国)相対的にさらに強くする。ドル資産買いをお勧めする一つの理由である。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77039750X21C21A0ENG000/
7.長期金利が上昇すると?」
昨日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。「いつも興味深い良いツイートありがとうございます!9月中旬からアメリカの長期金利上昇につられて日本の長期金利も0.105%に上がっていますが、やはり日本にとって良くない動きなのでしょうか?」。私の回答は以下の通り。「日銀保有の国債の平均利回りはたったの0.199%ですから評価損が出始めるまで、あとほんのちょっとです。保有額が巨額ですから、長期金利が上昇を継続すると、日銀にとんでもなく巨額の評価損が発生する可能性があります。これはヤバいです、」
8「予兆はあるのか?」
昨日、以下のシャアをFB にいただいた。「藤巻さんの論法は詐欺師が使う恐怖心を煽る手法に似ていますね。円の暴落の前に戦前のように外貨準備が無くなり、金現物で輸入代金を支払いました。トルコは金を売って外貨を用意しました。物事には予兆があるはずです。何かがあって信用が失われ、貸しはがし、のようなことがあれば、倒産のようなこともあるでしょう。説明なしに財政破綻する、ハイパーインフレーションになるといわれても信用できません」
私の回答は以下の通り。
「何度も申し上げていますが、日銀が債務超過まじかであるのは、歴然たる事実(バランスシートを見ればだれの目にも明らか)であり、債務超過になっても外国人が日銀を信用するか否かの論点しか残っていませんが。黒田日銀総裁も、しぶしぶ「一時的には債務超過になりうる」とおっしゃっていますが、なぜ一時的なのか説明してくれません(確かに一時的であれば外国人は円を信用し続けハイパーインフレは無いでしょう)。予兆なら、日銀のバランスシートを見れば予兆ばっかりです。水温が1度になったときを「水が氷る予兆」とは言わないのでしょうか?水が氷るわけがない、というのが正しい分析ですか?日銀の保有国債の平均利周りが0.199%。現在の市中金利(10年)が0.1% に上昇してきたのは、立派な予兆だと思いますが」