1.「インフレは低所得者層を直撃する。ましてやハイパーインフレ、をや」
財政借赤字が大きくなってくると、政府は、増税かインフレを起こして借金を減らさざるを得ない。そうしないとデフォルトになってしまう。増税は国民に不人気だから、政府はインフレ策を選択しがちである。2013年開始の異次元緩和は、財政破綻先送りが主目的のインフレ政策そのものだ(2%のインフレへとの公言通り)。デフレ脱却は国民向けの大義名分だと当時から私は主張している。
当時、日銀や財務省のお偉方は(本江は2%ではなく)年7%のインフレを目指していたと思う。年7%のインフレを10年続ければ、借金総額は、“実質”半分となるからだ。
しかし問題は、財政ファイナンスを行うと、歴史が教える通り出口が無くなる。
都合の良いインフレ率にコントロール手段がなくなるということ。フットブレーキもエンジンブレーキも失ってしまうからだ。その状態で、アクセルを踏みこんだままでは下り坂に入れば、どんどん加速し海中にドボンだ。今の日銀は、坂の頂点に達しつつある。
それなのにMMT論者はブレーキの無い車の運転手に、もっとアクセル踏みこめとはやし立て、低所得層を悲惨な状態に追いやろうとしている。無知とは悲しいもの。「先行きのリスクはインフレだ。低所得者は(実質賃金の低下などで)インフレから身を守れず取り残される」(世回銀行総裁談)、ましてや、ハイパーインフレにおいて、をや。
注:GDPを上げて税収を増やすという手はあるが、借金が増えると長期金利が(信用リスクを勘案し)上昇するので、経済成長率>長期金利の条件はならない
2.「円金利上昇で円の価値が戻るのは、中央銀行財務が健全なときの話」
私の日銀破綻のプロセスに関して、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「金利が上がるから(日銀は)債務超過になるって理屈だったと思うけど、金利が上がれば一方的に円安になることはないんじゃない?」
私の回答は以下の通り。「それは中央銀行の財務が健全なときの話です。金利上昇により中央銀行の破綻が真近かであると市場が分析すれば、円金利が上昇しようと円は暴落です。1998年のロシア危機の時、財政破綻が近いと感じ取ったロシア国債は80%くらいまで金利が上昇しましたが、ルーブルは暴落を続けました」
3,「国債の価値を担保しているモノは国の徴税権」
NNT 論者がわけのわからない議論をしてくる。「借りてるのは国であって国民じゃ無いのに何で国民が返さなきゃならんのやろ?むしろ国民は貸してる方や。 国債が国内でほぼ賄われてる現状、国家が破綻しない限り国の借金は永遠に先送りで問題無いと違うか」
私の回答は以下の通り。
「貴兄がなんと文句を言おうと国には徴税権があり、借金は増税か借金踏み倒し(=ハイパーインフレ)で無くすのです。日本の格付けがボツワナ以下に落ちた時、市場は、国債大変だと身構えましたが外国人の間で広まった「国には徴税権がある。日本の消費税は欧州比著しく低い。増税で何とかするから大丈夫」論で助かったのです。
4.「経済成長で現状の財政危機を脱却出来るか?」
経済成長で現状の財政危機を脱却出来るか?と質問が来た。金融抑圧で、平均国債金利0.5%、インフレ2%強(GDPも2%成長)で、実質的に20兆円債務が減る。すると、60年。更に債務ゼロではなく、半減なら、30年。財政収支はプラマイゼロの70兆円で予算を組む前提だが。うーむ。(インフレ・GDP5%が目標やな嬉し泣き。インフレ率5%、預金金利ゼロでも、日本人は円が好き!」
私の回答は以下の通り。「たしかにその計算でも、う~むですよね。しかしそれ以上に、平均国債金利0.5%、インフレ2%強ならインフレは加速すると思いますし、国債を買う人は日銀以外いなくなるのでは?ますます紙幣の価値が下落していき、ハイパーインフレでは?」
それに対し、質問者から再質問が来た。.「コメントありがとうございます。 名目GDP成長率2%強(=インフレ率1%+実質GDP成長率1%強)、平均国債金利0.5%なら、どうでしょう。対GDP比債務は減少します。それでも、海外との金利差が大きくなれば、かなり危険と思います。 財政収支±0は絶望的。IMF管理下に入るぐらいの破綻がないと、まず無理…」
私の回答は以下の通り。
「そうですね。たとえ財政がギリギリ大丈夫だとしても、それだと年金が破綻します。日本経済は矛盾をはらんでいるのです。ドーマーの法則ではPB 黒字化した後、GDP 成長率>長期金利が必須ですが、年金の持続可能性は、それとは逆にGDP 成長率(=労賃の値上がり)<長期金利を前提に計算されています」
5.「ハイパーインフレのきっかけは何か?」
以下の質問が私のTwitterに来た。私の回答は以下の通り。
「先生、教えて下さい。日米の国債の暴落は、まず台湾有事の世界的な経済停滞、中東の不安定問題等の複合的要因がキッカケとなり引き起こされ、その後ハイパーインフレだと思うのですがどうでしょうか?昭和55年のアフガン侵攻を契機としたロクイチ国債の暴落を考えると、その可能性が高いと考えています」
私の回答は以下の通り。
「日銀が債務超過になり、それが一時的でないと外資が判断したら一晩でハイパーインフレでしょう。そうなると米国で金利上昇があり日米金利差でドル高円安になった時が危ないです。輸入インフレで日本の金利にものすごい上昇圧力がかかってくるからです。有事は米国金利上昇の一因になる可能性はあります」
6.「通貨スワップ協定は何時までも継続してくれるか?」
以下の質問が私のtwitterに来た。「こんな日本でも通貨スワップ協定を結んでいる国は継続していただけるんでしょうか 無制限無期限とはいえ不安でなりません」
私の回答は以下の通り。「中央銀行同士とはいえ相手の信用は厳重にチェックしているはずです。その国の中央銀行は他国を助けるための機関ではありませんから。中央銀行に大きな損失が出ればその国の通貨が棄損され大ダメージですから財務内容が悪化した中央銀行とは協定破棄でしょう。もし、そういう事態が起きれば、今年の春に起きたようなドル不足が起きると思います」
7.「20年前に戻ることが出来るのなら、日本は何をすべきだったか?」
私のとぃっ手rに以下の質問が来た、「仮定の話で比較できないが、20年前、いや10年前から円安政策をとり、輸出と観光で景気回復は実現出来なかったものか?悪い円安とならないことを祈っております」
私の回答は以下の通り。「
私が年、主張していた経済政策は「穏やかな円安による景気回復」でした。『1ドル200円で日本経済の夜は明ける』という本を2000年初めに出版したこともあります。これは『1ドル=200円になる』との予想本だと思い、予想がはずれているではないか、という批判を受けるのですが、批判をする方は本を読んでいないのだと思います。読んでいただけるとわかりますが、予想したのではなく『こうすれば日本経済が回復する』との提言書でした。残念ながら1ドル=200円にはならなかったので、日本は景気低迷が続きました(その点では予想が当たったことになりますが(苦笑い)。もっとも、ここまで借金が溜まり、日銀が異次元緩和という禁じ手中の禁じ手をしてしまった現在では円安が進むと債務超過で日銀崩壊、円暴落の危機を迎えてしまいます。Xデイへと引き金を引くことになるので、そういう主張は今はしておりません。20年前、30年前に戻るのなら、穏やかな円安政策(200円への)こそ日本救済回復の手段だったと今でも思っています。円安誘導方法は、この本や他の本にも書きました。実力にあった円レベル(当時1ドル=180円から200円)であれば国と言えども何もできないが、実力に比べて高すぎる円の修正なら出来ると、実務者の経験から主張していました。私の意見は米国ではかなりの支持がありました(米国では実務者の意見が尊重されるので)、日本では無視されました。私の力が及ばなかったせいでもありますが。
8「レトロが好き」
昨日は大好きな小料理屋さんで、フグ。おいしかった~。昭和の人間としてはレトロ街が好き。それに大将の料理の腕が抜群にいいんだな。しかし、本日の(ひれ酒での)二日酔いテニスはつらかった~。