1.「黒田総裁、それでも答弁しているつもりですか?」
2月16日の衆議院財政金融委員会での藤巻健太の黒田総裁とのやり取り。日銀総裁「日銀は保有国債を簿価法で評価しているから評価損が出ることも債務超過になることもない」―>藤巻健太「日銀自身が簿価評価しようと、格付け機関や外資系金融機関は時価評価で日銀を判断するだろう。日本の格付けが落ちても問題はないのか?」―>日銀総裁「日銀は簿価評価を採用しているから心配ない」。黒田総裁、それで答弁しているつもり?
2.「指値オペとガソリン補助金の矛盾」
2月16日の衆議院財政金融委員会での藤巻健太の鈴木財務大臣とのやり取り。藤巻健太「指値オペによる長短金利差拡大で円安が進行すると、円建てでガソリン価格は上昇する。政府がガソリン価格を下げようと補助金を出す一方、日銀が(結果としての)円安を誘導する政策を取ると、補助金効果は相殺されないのか?政府と日銀に政策の反故はないのか?」の答弁。これもちゃんと答えているとは言えないな~。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4be6630db38b1330879c639cbd3ec0fbb23df3b
3.「相変わらず円は避難通貨?」
昨日、ウクライナ情勢が再度、緊迫したとして、米中長期金利が上昇円が買われたが、これもデイトレーディングか短期トレーダーの条件反射に過ぎない。さらに緊張すれば原油、天然ガス、穀物、肉類等の暴騰でFRB を筆頭に世界の中央銀行は金利を急速にかつ大きく引き上げざるを得なくなる。中でも日銀の財務は絶望的に悪化するだろう。それなのに、昨日スイスフランと円が安全通貨として買われたのは、日銀の財務内容悪化を世界がまだ認識していない証拠。円から逃げるのは今のうち。外国人が気が付いたら円は暴落のリスク大。
4.「インフレに後手のFRB 賃金と物価の連鎖上昇必至」
本日の日経新聞に載っているファイナンシャルタイムズとの提携記事「インフレに後手のFRB 賃金と物価の連鎖上昇必至」
世界的に著名なFTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターMartin Wolf氏の論考だ。
「(7国際金融協会(IIF)によれば)設備投資も住宅投資も極めて堅調で、米経済の回復ぶりは他の高所得国を軒並み上回る。その主因は財政出動にあるというのがIIFの見立てだ」「もう一つは、金融政策がいまだに極めて緩和的で、資産購入は今も続けられており、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利も0.25%にとどまっている」「だが宴もたけなわだというのにFRBは相変わらずパンチボウルにお酒を足し続けている(藤巻注:3月のテーパリング完了時が最大の金融緩和状態。それまでのことをお酒を足し続けていると表現されている)」。
「かじ取りは極めて難しいものになる。(中略)対応が明らかに後手に回った今となってはなおさらだ」。
私は全く同意。10年物金利を20%に押し上げた1980年のサタデー・ナイトスペシャルの再来の可能性リスクは十分にあると思っている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB161510W2A210C2000000/
5「セントルイス連銀総裁、中立金利を超える必要も-インフレ抑制で」
本日のBloombergニュース。「一部ではインフレが落ち着くと期待する向きもあるが、われわれは落ち着かなくなるリスクに対処する必要がある」とし、市場は「ある程度妥当な期間でインフレが落ち着くということに対して、やや信頼感を失いつつある」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-17/R7GN7ODWRGG301?srnd=cojp-v2
6.「日銀,MMTer,財政出動派の責任」
本日の日経新聞「大樹小機」。「(日銀は)日銀ネットを含む金融システムの安定は言うに及ばず、近々直面することになるインフレへの対応も、量的・質的緩和からの円滑な脱却も、成功裏に行うべき重い責任を負っていることを忘れてはならない」。インフレへの対応も、量的・質的緩和からの円滑な脱却も、この段階に至っては無理だと私は思うが、方法があれば教えて欲しい。日銀自身からも、この期に至っても全く発信が無いのは無責任極まりない。無いのだからしょうがないか?新中央銀行設立準備に早く取り掛かった方が良い。中央銀行の空白期間が長引けば、どん底から再生しうる日本がどん底のままになってしまう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80246460X10C22A2EN8000/