「ロシア侵攻後のマーケット予想」「天皇制の重要性」

2022年02月25日

1.「ロシア侵攻後のマーケット予想」

力による国境変更は絶対に許してはならない。しかしマーケットは動いているので、その予想。

昨日の東京、NY での原油価格、株、米長期金利の動きは「噂で買って事実で売る」または「噂で売って事実で買う」の動きだったかもしれない。しかし、前から予想され、ある程度読み込まれていただけに、それらの動きは小さかった。米長期金利は激しいインフレ下にもかかわらず、ウクライナ問題が上昇の頭を押さえていたのだろう。ロシア侵攻時の一時的金利低下の際に売り逃げようと思っていた人達の予定は狂ったに違いない。いずれにせよ、こんな時に米長期債を買う人の気が知れない。

9.11の前には「有事のドル買い」がディーラーの常識だったが、又、その格言の時代が戻ってきたようだ。(世界はかなり前から戻っていたが日本だけは違っていた)。9.11という有事は初めて米国内で起こった有事だったから「有事のドル買い」原則が崩れたのだ。9.11以降、避難通貨と言われるようになった円には、今や典型的な「危険通貨」だ。「避難通貨」という幻想は、デイトレーダーに残存として残っているだけだ。今後はかなりのドル高/円安が進むだろう。

ロシア侵攻で原油価格が上昇すれば、世界最大のエネルギー生産国となった米国は相対的に強くなり、原油等エネルギーを全く生産しない日本は窮地に陥ろう。小麦・トウモロコシの値が上がり、家畜飼料も値上がりすれば、食料を海外依存している日本には大打撃だ。米国はそれほどでもない。インフレになっても金利を上げられない日本に対し、米国はロシア侵攻でさらに過激になるだろうインフレに対応し金利を上げてくる。日米金利差は大きく拡大だ。ましてや日本は原油の値上がり等で経常収支が悪化している。経常収支の赤字は経済学的には長期金利の上昇か円安かまたはその両方だ。

放漫経済による財政破綻回避のために刷りまくった結果、日銀は債務超過ぎりぎりの線に陥っている。中央銀行がそんな状態でありながら、いまだに紙幣を刷りまくられている。財政破綻回避のためだ。わざわざ貴重なドルを使って、毎日、打ち出の小鎚から振り出されてくる円を買う外国人はいるのか?米国がロシアをSWIFTから追放してドルのアクセスできないようにしたが、日本は制裁ではなく、円の信用劣化によりドルにアクセスできなくなる。バイデン大統領もFRB も激しいインフレへ抑制の強力な武器となるドル高を歓迎するはずだ。

 

2.「天皇制の重要性」

天皇制の維持がいかに日本の国益であり、国民は皇室を大事にするべきだと、この1週間いろいろ書いてきた。天皇制とは「自分が日本人と自覚する時の拠り所」になっていると思う。ところが、皇室はいらないなどという極論まで出てくる。唖然とするしかない。日本が天皇制を廃し、総理大臣が国家元首になる共和制になっても日本人の朋意識は守れるのか?例えば、現在、国家元首として天皇が行っている最高裁判所長官等の任命や国会の開催、法律や条約を公布、大使の信任状の認証,外国の大使の接受などを首相が代わったとして、それだけの重みがあるのか?世界最長の伝統を持つ皇室が行うから重みがあり、駐日大使の膝がガクガクする。権威や重みなど形式的などと言うなかれ。最高裁判官がTシャツ・ショートパンツで下した判決で国の秩序が守れるか?英国の裁判官の法服やもじゃもじゃのかつらを見るがいい。国会議員がTシャツ・ショートパンツで通した法律を皆が守ろうとするか?世の中には、権威・重みが必要なこともある。