「強烈な円安へのトレンド」「為替は相対的なもの」他

2022年03月10日

1.「強烈な円安へのトレンド」

昨日の日経新聞によると「経常赤字は常態化するかも」とのこと。もし経常赤字が常態化するなら、(もちろん70円台を付け、今はそれより円安ではあるものの)1973 年2月の360円固定相場制終焉から始まったトレンドとしての円高は幕を閉じるだろう。私のプロのディーラーとしての経験からすると、$/¥に一番影響するのは日米金利差と日本の経常収支。

今までに両方が共に円安要因として明確に常態化することは無かった。初めてである。円安時代の始まりだろう。資源高のインフレ時に円安が加わればかなりのインフレが訪れる。財政ファイナンスをしてしまった日銀には、それを抑える手段はない。抑えなければインフレは加速度的に進み、抑えようと金利を引き上げれば日銀債務超過で円は一周にして暴落、ハイパーインフレ。財政もデフォルト危機に陥る。それでも、まだ円は避難通貨だと言う人がいるのか?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA083LP0Y2A300C2000000/

 

2.「為替は相対的なもの」

先ほど、私のツイターに以下のリツイートが来た。「先生、日本はもう言わずもがななんですがアメリカもかなり厳しくないでしょうか?7%インフレに小麦などの世界的高騰が加わっています。その時にFRBは0.25%利上げ0.5%利上げでもたついています。ドル円では円が崩れるのでしょうがドルもその他通貨には減価するのでは・・(続)」

私の回答は以下の通り。

「FRBの行動が非常に遅れているのは確かで、その点ドルも安泰ではないと思います。ただ為替は相対的なもの。どちらがより危ないかで決まります。円の方が各段に危ないからドル円は急騰だと思います。多かれ少なかれ世界各国は財政ファイナンスを行っていますから全世界の法定通貨は安泰ではない(=減価する)。それは世界中がインフレと言うことです。その防衛のために世界各国は自国通貨高のために金利を上げるでしょう。日銀はその手段さえ失ってしまった。だから、円は最弱通貨だと思います」

 

3.「MMT批判はハイパーインフレを回避するために必要だった。時すでに遅しだが」

昨日、私のツイターに以下のリツイートが来た。「この方はロシアに託けて現代貨幣理論を批判してますが日本もデフォルトしてハイパーインフレとかになったら喜ぶのですかね? 経済評論家ならそうならないよう提言するもんだと思いますが。 控え目に言ってもクズですね!」

私の回答は以下の通り。

「何を馬鹿なことをおっしゃる。私だってハイパーインフレになったら、かなりのダメージを被るのだからハイパーインフレなど起きてもらっては困る。しかしそれなりの準備はしているからMMT信者よりもダメージはかなり小さい。私は、このまま社会主義的国家運営を継続すれば日本は「全員が平等に貧乏な国になる」と警告してきたが、ハイパーインフレが来れば、全員が平等に貧乏でも、その中に格差は出来る。貧乏な人(=ドルにシフトするなどハイパーインフレ対策をした人)と大大貧乏な人(=MMTを信じて円だけで財産を保有している人)との格差。ついでにMMT教祖様が、まさか皆様から集めた円を、ほとんどドルに換えていないかチェックしてくださいね。置いてきぼりは信者だけだったりして。

なお、私はこうならないために20数年にわたっていろいろな警告を発してきた。(過去、私が書いた書き物を読めばよい)MMT批判もその一つ」