「ドル円相場、長期金利上昇はまだまだ」「異次元の円安進行を予想」他

2022年03月15日

1.「ドル円相場、長期金利上昇はまだまだ」

昨今、米国長期金利の上昇と、ドル円の上昇が著しいが、まだまだ始まったばかりだと思う。こういう時はデイトレーダー的に「少し儲かったから利益を確定しよう」などと思ってはいけない。狭いレンジ内での上下運動ではなく、レンジを突き破る動きが予想されるからだ。そう考える充分な理由が存在する。又、せいぜいこの20年間のデータを基に行うプログラム売買とは決別すべきだ。プロフラムを書き換えなければいけないだけの理由がそろったからだ。又、余計なおせっかいながら、MMT 信者も「日本の財政や円は大丈夫」と説く教祖様から離れ早くドルを購入して円暴落に備えて方が身のためだ。教祖様自身が(教義に反し、)とっくに円と信者を見捨てている可能性もあるのではないですか?

 

2.「異次元の円安進行を予想」

円安が進行中だ。日米金利差と経常収支という為替の決定要因が両方とも円安方向に向いているのだから当然だろう。ましてや米国はインフレを抑えるのに躍起だ。インフレを抑える強力な武器は自国通貨高だから米国はドル高大歓迎のはず。

この20年間ドル/円は全く動いていないに等しいから、若いトレーダーは想像できないだろうが、ドル/円は動くときには動く。1985年末から86年末には1年間で40円の円高、86年から87年にかけては1年間で38円の円高。1988年から89年は18円の円安だ。今回はこれ以上にはるかに大きい円安の動きを予想する。円安により日本がインフレになり、日銀が債務超過を恐れて何もできないことがわかったら、そこからはさらに次元の違う円の暴落だ。ドルを買うのは、そういう事態に対する保険でもある。何度も言うが、米国長期金利も1979年のボルカーのサタデイナイト・スペシャル発動時みたいな上昇(米10年もの金利24%、日本の10年物金利11%)の可能性も十分あると思っている。

 

3.「なぜ紙幣印刷ではなく徴税が必要か?」

一昨日、私のTwitterに以下の質問があった「難しい考え方をしなくても、『なぜ国家予算は印刷でなく国民から徴税しなくてはならないのか』納得できるように教えてもらえれば信用します」

私の回答は以下の通り

「政治家は国民に嫌がられる徴税の代わりに、紙幣の印刷で歳出を賄おうとする。その結果、刷りすぎた紙幣の価値の希薄化が起こりハイパーインフレを起こすというのが歴史の教え(伝統的金融論もそう教える)。それが大部分の国が中央銀行を政府の一組織ではなく独立させている理由でもある」

 

4,「日本の会社員は自分の会社に忖度」

日経テレ東大学を見た方から、以下のリツイートがあった。「お二人で想起するのは(藤巻さんが主役?の)この記事(藤巻注:私が参議院決算委員会で2015年に安倍首相に対して行った質問についてのロイター記事)とそれに対する山崎さんのコメント、少々古いですが。 山崎氏『事実上財政ファイナンスだが効果的に利用すべし』 外野は好き放題言える典型。 私は安東さんやMoriさんのコメントに賛同します」。ちなみにMoriさんのコメントとは「銀行系/保険系金融機関のエコノミストやアナリストは、国債にリスクがあるとは口が裂けても言わない。なぜなら、銀行も保険会社も自己資本規制/ソルベンシーマージン規制で国債はゼロリスクということになっているから、サラリーマンとしてその枠組みの中でできる発言には限界がある。(個人の感想です)」

私も以上のMoriさんのコメントにまったく同意。終身雇用制は、こう言う面でも、日本経済に悪影響を与えている。米系勤務なら本音を言える。会社がそれで怒ったら他社に転職するだけ。正しいことを言うアナリストは顧客から高い評価を得るから自分の信じることを言えるし、顧客に評価されれば高給で他社に雇ってもらえる。今働いている会社に忖度をする必要が無い。

なお安東さんのコメットとは「一定額以上の資産を持つ有識者の皆さんが、それぞれの個人資産をどの程度程外貨で運用しているかを教えてあげれば、綺麗事を抜きにした個々人のリスク分析のリアルさが伝わるのにね」。

私が知る限り、そのような人は自分の財産を、すでにかなりの割合でドル資産にシフトしている。MMT教祖連中も、「日本は大丈夫、日本はハイパーインフレ(=円の大暴落は無い)にはならない」と言いながら、自分の財産はドルにしているのではないの?もしそうだったら信者さんたちは教祖に対して大いに怒るべきですよ。

https://newspicks.com/news/1024919/body/?ref=user_221163

 

5.「X デイ後の苦難の時期に『真の資本主義国家』を作れば日本は大復活」

昨日 以下のリツイートが来た。「藤巻健史氏 は、ここまで日本が泥舟だと分かっていて、なぜ海外移住に行かないのか気になる。ウクライナみたいに祖国を守るために戦うって感じでもないし。。」

私の回答は以下の通り。

「JPモルガン勤務時代のボス、マーカス・マイヤー氏に『あんなに日本を愛していたフジマキがそこまで言うのだから、日本は本当に危ないと理解した』と言われたことがある」。別に海外に逃げなくとも金融資産をほぼドルに逃がしてあるからX デイ後の苦難の4年間を耐えることが出来る。いつも書くように、4年間の苦難の時期に『真の資本主義国家』を作り上げれば日本は大復活できる。MMT の実践で痛い目に会う日本でも(すでに駆逐された他国同様)MMT は駆逐されているだろうから当面は放漫財政は許さないことも望ましい。もっともMMTが世界で唯一、いまだ蔓延していることからもわかるように、日本人は歴史に学ばない。だからドイツ・スイスのように憲法に均衡財政条項を入れる必要があるかもしれない」

 

6「円安とハクモクレンの満開 いっきに来た」

一昨日まで3分咲きだったがハクモクレンが昨日の気温(23度)で満開になった。ドル円の動きと一緒でいっきに来た。家内によると、引っ越してきた当時(約20年前)はお彼岸を過ぎてハクモクレンが咲き、その1週間後に桜だったというから、満開時期が10日は早い。

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