「いよいよ放漫再生を放置し、財政再建を無視したツケの到来か」「日米金利差拡大による円安方向」「キャリートレード」他

2022年03月18日

1「いよいよ放漫再生を放置し、財政再建を無視したツケの到来か」

本日の日経1面トップ。ワシントンからの発信のせいか、さすがに良く書けている。「問題はFRBの金融引き締めに世界経済が耐えられるかだ。FRBは23年には3%弱まで政策金利を引き上げる考えで、過大債務の国も企業も利払い負担が増す」――>出来れば、ついでに「問題はFRBの金融引き締めに日銀が耐えられるかだ」とも書いてくれれば、より適切だった。

「約40年前もイラン革命によって原油価格が高騰し、世界的に急激なインフレとなった。1979年にFRB議長に就いたボルカー氏は約20%に政策金利を引き上げて物価高を根絶したが」―>私がたびたび触れる「ボルカーのサタデイナイトスぺシアル」のこと。

「インフレ対応で後手に回ったFRBが想定よりきつい引き締めを迫られるとの見方から『スタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)につながる可能性が高い』」(サマーズ元財務長官)との懸念さえくすぶる」―>「今のFRB は資産の高騰を見落とし引き締めが遅れたバブル時の澄田日銀総裁と同じ間違いをしている」といつも書くように、私もサマーズ氏と同じ考え。だからこそサタデイナイトスぺシャル第2弾があると思っている。そうなれば日銀も円もアウト。歴史は繰り返す。トもいいところ。傲慢財政をほったらかしにして財政再建を無視したツケだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1250N0S2A310C2000000/

 

 2.「日米金利差拡大による円安方向」

FRB自身は今年0.25%ずつ7回の利上げを予想している。だとすると年末の政策金利はベストゲスで1.75%~2%。米国の中立金利は2.5%だそうだから、来年も数回の利上げが続くことになる。中立金利とは景気を良くも悪くもしない金利だから、中立金利では景気を下押しすることには定義からしてならない。したがって逆イールドは考えにくくロジカルに考えれば長期金利はその時点で3~4%に達するだろう。一方、日銀は利上げ不可能(ごく微々たるものは出来るが)。だから日米金利差はますます広がる。ここまで両国の金利動向が読めるのなら結論は簡単。強烈な円安ドル高。通常は、両国の金利とも、そうはクリアーに読めないものだ。米国の金利は下がるかもしれないし、日本の金利はあがるかもしれないと疑念を持つ人が少なからず出る。しかし今回は米国は、史上最高レベルのインフレ圧力なのに史上最低レベルの金利だから金利は上がらざるを得ない。日本は金利が上昇すれば日銀が破綻してしまうから中央銀行は金利を抑えざるを得ない。日米金利差拡大を疑問に思う人はまずいないはずだ。こんなに簡単に読める相場に乗らない人の気が知れない。

.「キャリートレード」

時々「米国の金利上げはマーケットに織り込み済み」だとコメントする人がいるが、為替に関しては「織り込み済み」などということは無い。マーケットの経験がないアナリストの発言だ。日米金利差が拡大すると「キャリートレード」が起きる。ただ実際にキャリートレードを行うのはFX をしているMs.Watanabeと財務省のドル買い介入くらいで、グローバルマクロのヘッジファンド等、我々リスクテーカーはキャリートレードなどしない。キャリートレードと同じコンセプト=日米金利差拡大で儲かる)の先物のドル買いで勝負する。先物とは「契約は今、決済は将来」だから、今は全く現金を必要としない(=レバレージがものすごく効くということ)。取引相手がこちらを信用さればいくらでも現金なしで勝負が出来る。日米金利差が開けば開くほど、丁半ばくちで、サイコロの目がどんどん丁に変わっていくのと同じ(=六面が1,2,3,4,5,6,)のサイコロが(2,2,3,4,5,6、)へ、そして(2,2,2,2,5,2)のサイコロに変わっていくということ。変われば変わるほど丁にかける人が多くなるのが当たり前だろう。先物のドル買いが増えると。仕組みからして、ドルの直物買いが増える。だから日米金利差拡大は響れ知名ドル高円安要因。織り込み済みなどということは起こり得ない。

 

4.「米国のインフレ圧力はで単に商品価格の高騰だけから来ているのではない」

昨日の日経新聞夕刊。「商品価格の高騰がインフレを招いているわけではなく、状況をより悪くしているだけにすぎない(SGHマクロ・アドバイザーズのティム・デュイ氏)」。米国のインフレは複合的な原因で起きており、商品価格の高騰がゆえに起きていると思うと大間違いをするということ。インフレ懸念がすさまじい時は、どの中央銀行も。一時的な景気減速など歯牙にもかけない。悪性インフレは中長期的に経済に大ダメージを与えるからだ。ましてやハイパーインフレを、や。だからこそ、一時的に景気を犠牲にする。それが歴史の教え。「景気減速を恐れて中央銀行がマイルドな引き締めにするなどと考えていたらマーケットで古典パにやられる。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59118100W2A310C2ENI000/

 

5.「最も深刻な格差は世代間格差」

本日の日経新聞「エコノミスト360°視点」。元財務相財務官渡辺博史氏の論考。

一昨日、「私は日本の格差問題で一番深刻なのは世代間格差だ」との持論をSNS に書いたが。渡辺さんも同じ考えのようだ。論考の最後に曰く「最後になるが『最も深刻な問題になりかねない重要な視点が世代間の格差である。(略)高齢人口の増大という将来負荷への対応を巡って、深刻な対立を引き起こしかねない」

とあるが、日本の場合は、MMT信者の若者のように「ばらまけ、ばらまけ」と積極財政を主張し、それが将来の自分たちの負担(=大増税)増になることがわかっていないおめでたい人が多いから、深刻な対立など起こらないのかも?(皮肉)

ちなみに渡辺元財務官は、私の小・中・高の1年先輩(大学も先輩と言えないのが、情けない(苦笑い))渡辺さんはわが校の後援会長。すなわち悠仁親王がニュが腐れる筑波大附属高校の後援会長。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD07ARX0X00C22A3000000/

 

6.「根津美術館と新宿御苑」

一昨日は根津さんに会いに根津美術館に行って、応接室から庭園を見た。昨日は朝。米国大使館に行き、その足で新宿御苑に行った。寿命200年を超すハクモクレンが咲いていると聞いたので見に行ったのだ。さすが、だった。

私は母が亡くなった3歳の頃から6歳まで祖母と一緒に新宿御苑の目の前に住んでいた。新宿伊勢丹のおもちゃ売り場とともに御苑が私の遊び場だったのだ。石柱の塀の所々が崩れていたので、近所の障害者の17歳の親友とその隙間から入り込んで遊んでいた。そんな思い出深い場所でもある。明日からは入場が予約制になるそうだが、昨日はものすごくすいていて最高だった。人出が多いと途端に幻滅してしまう。根津美術館といい、新宿御苑といい東京には素晴らしい庭園が多い。

新宿御苑

新宿御苑2

新宿御苑3