1.「(日銀総裁記者会見に関して)朝日新聞原真人編集委員の記事」
昨日の日銀政策会合、その後の記者会見に臨んだ朝日新聞原真人編集委員の記事。必読。私のコメントも載せてくださった。記事に曰く「『悪いインフレ』に直面しているのは米欧も同じはずだ。その米欧の中央銀行は今月、こぞって大規模緩和の正常化に動き出している。日銀だけが動けないのがインフレ率の違いからだとしても、近く2%インフレになればその理由も通用しなくなる。
懸念されるのは日銀が出口戦略を『始めない』のではなく、『始められない』のではないかということである。なまじの景気回復ていどでは出口戦略を始められないほど、異次元緩和がどっぷり日本経済や政府財政の下部構造になってしまっている、ということだ」
「この状態から日銀がもし異次元緩和の出口戦略を始めたらどうなるか。保有国債の残高を減らし始めたら、国債価格が急落(長期金利は急上昇)するリスクは相当ある。国債の新規発行も日銀の買い支えなしにこれまで通り続けられる保証はない。
あるいは、日銀が保有国債を売れずにそのまま抱え、その国債に含み損が出ることによって日銀が債務超過に陥るリスクもある。
そうした問題に警鐘を鳴らす経済専門家はけっして少なくない。その代表は、前参院議員で元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史氏だろうか。
藤巻氏は『日銀が債務超過になれば信用は失墜する。その日銀が発行した紙幣など世界中の誰も受け取ってくれなくなる。それは円の暴落であり、日本がハイパーインフレになるということだ』と言う。議員時代、国会でもたびたびこの問題を黒田総裁にぶつけてきた」
https://www.asahi.com/articles/ASQ3L7JR1Q3LULZU00C.html?iref=pc_ss_date_article
2「黒田日銀総裁、円売り/ドル買いをご推奨?」
黒田総裁は昨日の記者会見で「物価が上昇するなかでも『金融政策を修正する必要性を全く意味していない』と述べたそうだが、これは「物価が上昇するなかでも「金融政策を修正する方法は全くない」の言い間違いでしょうが。ここまで来て出口を公言しないのは中央銀行総裁としての責任放棄だ。
黒田総裁は「円安は全体として日本経済にプラス」との考えを重ねて強調した」そうだ。たしかに自国通貨安は景気対策(=デフレ脱却)に強力な武器である、一方、自国通貨高はインフレ抑制に対し強力な武器だ。これでドル高円安は日米両国にとって極めて望ましいということが公表された(半分皮肉)ようなものだ。ドル/円は急騰、ぶっ飛ぶ。そして日本はハイパーインフレへまっしぐら。円は石ころ化。MMTerのように「日本大丈夫」で円しか持っていない人は、今後、塗炭の苦しみを味わうだろうが、それは自己責任。教祖様をお恨みください。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1815U0Y2A310C2000000/
3「自国通貨建て国債のデフォルト」
昨晩、以下のリツイートがあった。「だから。。。 100%自国通貨建て国債では無いということです。 外貨建て国債でデフォルトしそうなのですが、藤巻さんはロシアを日本と同じ自国通貨建て国債だと勘違いしていたので今ではロシアのこと触れなくなりましたね」
私の回答は以下の通り、
「何を言っているのだか?知ったかぶりをしない。ロシアは1998年にデフォルトに陥りましたが、この時のデフォルトは自国通貨建てです。
「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」などと主張するMMTerはせめて、この英国中央銀行のレポ―ト(自国通貨建て国債のデフォルトについて)くらい読んでから主張しないと恥かきますよ。