「日銀、円安を宣言」「ソロスに負けた英中央銀行と日銀がだぶる」他

2022年03月28日

1.「日銀、円安を宣言」

指値オペ実施。日銀が世界に向かって「円安/ドル高/宣言をした」のと同義。これから力強く、長く続く「ドル高/円安」の始まり。同時にいかに日銀財務が危機状態にあるかを世界に公言した。10年金利0.25%を死守。これを超えると「日銀に危機到来」との苦痛の叫びを世界には発信したようなものだ。弱さを見せては絶対いけない中央銀行が弱さを示した。円は売り込まれる可能性がある。

 

2「ソロスが英中央銀行に勝った時のことを思い出す」

日本国債10年物金利0.25%をめぐる攻防は、まさにソロスが英中央銀行に勝ったオペレーションを思い出させる。中央銀行といえども長期金利のコントロールなど出来ない。それも伝統的金融論の教え。いずれ日本の長期金利も暴騰しよう。日銀は大幅な債務超過になりThe EBD。ドル/円は天文学的レベルにまで上昇し、円は最終的に石ころ化。莫大なる赤字を無視し、財政破綻を(紙幣を刷りまくって)先送りしたツケを巨大に払わされる。伝統的金融論が教える、まさにそのまんま。

 

3「ソロスに負けた英中央銀行と日銀がだぶる」

通貨統合に向けて(ヨーロッパの国はマルクに対して通貨を固定しなければならない。それが通貨統合に参加できる条件。基本的には1ポンド2.95マルクで固定。最低でも1ポンド2.77マルクまでに抑えろとの制約 (注:ポンド は円と違って ポンド中心に考えるので数字が小さいほどポンドが弱い)

92年のイギリスは非常に景気が悪くポンドは下がろう、下がろうとしていた・その圧力をはねのけて1ポンド=2.77マルク以上にしたかったのが英中央銀行。

それを防ぐ方法は二つ 一つはイギリスの利上げ。 ところが景気が悪い時に利上げなどできない。もう一つの方法はドイツが利下げしてくれればいいが、ドイツは 東西融合のあとでインフレ気味で金利を下げられない。最後の最後には英国中央銀行は景気が悪いのにも関わらず金利を引き上げていった。しかし、 それはファンダメンタルズに反した行為で末期症状だ。ソロスは考えた。いずれ英中央銀行はgive upし、イギリスは通貨統合参加をあきらめる。そうなればポンドは支えを無くし、最低限の2.77をドーンと割って下がるだろう。ポンド売りまくれ!万が一、統合に加わっても、1ポンド=2.77に張り付くだけだ。「勝てば大儲け、損してもわずか」こんな有利な勝負は無い。固定相場制を維持することのコストを示すいい例だ。今の日銀の0.25%を維持しようとする姿はまさに当時の英国中央銀行とダブル。ヘッジファンドが国債の先物売りを仕掛けた場合、日銀があきらめれば大儲け。あきらめなくても世界で長期金利が上昇していく中で円長期金利だけがどんどん低下していくわけがない。損してもごく技うか、儲かるときは大儲け、と考えるヘッジファンドが必ず現れると私は思う。