「重要事件発生,真近か、大丈夫か日銀、円?」

2022年04月07日

「重要事件発生,真近か、大丈夫か日銀、円?」

もともと、私は、FRB の利上げよりも資産収縮が始まるときこそ、マーケットに衝撃が走ると言ってきた。ついにその時が5月に来てしまう。5月からFRBは世の中にばらまかれたお金の回収期に入るのがほぼ確実になってきた。それもかなり急速の資金回収のようだ。FRBのインフレ対応が遅れているので、急速なのもわかる。経済の一時的停滞を犠牲にしてでもインフレ対策に力点を置くのは過去の中央銀行と同じ行動パターン。バイデン大統領も中間選挙を控えているので文句はつけない。インフレは今米国民の最大懸念材料だ。FRB が保有している国債は長期が多いから長期債は需給のアンバランスから大幅下落(=長期金利の急騰)が始まるだろう。日米金利差拡大による円安/ドル高がいよいよ本格的に始まる。

一方の日銀はバランスシートの縮小(=ばらまいたお金の回収)など未来永劫に始められない。日銀に替わる国債の買い手が見つからないからだ。確かに入札で国債は完売していた。しかしそれは日銀トレードといって、日銀が買い取ってくれるからだ。日銀への転売が出来たから入札に参加したに過ぎない。米国債市場におけるFRBの存在は、池の中の鯉(コイ)程度。2020年だけ国債発行額の70%弱を購入したが、他の年はせいぜい発行量の10%以下の購入に過ぎない。FRBが米国債市場から撤退しても致命的な需給のアンバランスにはならない。

しかし日銀の場合は違う。日銀は日本国債市場においてモンスターだ。2020年には60%強まで落ちたが、それまでは発行量の80%、90%を購入していた。池の中のクジラが撤退したら、それに代わる国債の買い手はいない。金利が大暴騰した後なら話は別だが。金利が大暴騰すれば日銀は天文学的な数字の債務超過。政府も支払い金利急増で予算を組めない。ばらまかれた分が回収されていくドルに対し、未来英永劫にバラマかれ続ける円。円安/ドル高進行が加速。輸入インフレによる日本のインフレ進行、それを止める手段を失ってしまっている日銀。5月には日銀も最終コーナーを回ることになるのかも?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06DKE0W2A400C2000000/